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大手のボーナスは史上最高額だが、あなたのボーナスはどうだった? ボーナスを確実にアップさせる方法とは

横山信弘経営コラムニスト
今年の冬のボーナス、経団連は史上最高額と発表したが(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

■ 今年の冬のボーナス、経団連は史上最高額と発表したが

今年もボーナスの時期がやってきた。

経団連の発表によると、大手企業の冬のボーナスは96万円超(平均)となり、2年連続で過去最高を更新。とても景気のいい話だ。

しかし、景況感はよくない。

日銀が13日に発表した12月短観(全国企業短期経済観測調査)では、業況判断指数(DI)が、9月からさらに5ポイント悪化。前回の増税時より悪くないとはいえ、4四半期連続のダウン。

経団連(1,412社)は史上最高額と発表したが、今年の冬、ボーナスが落ちたという人も多かったのではないか。

■ ボーナスをアップさせる確実な方法

実際にもらってみるとわかる。

ボーナスの額を見て納得するか、納得しないか。アップしてもダウンしても、納得性が高いボーナスをもらう人は少数派だ。

「エン転職」が今年12月に、1万人に対して実施した意識調査「冬のボーナスと評価の納得度」では、過半数(54%)の人がボーナスに納得していないと答えている。

(納得していると答えた人は24%、どちらともいえないが22%)

だから多くの人が、どうすればボーナスがアップするのか、もしくは収入そのものが増えるのかと、この時期になると考えるようになる。

そしてその都度、会社の人事考課・査定について納得がいかない。これだけ頑張っているのに、どうして評価されないのかと疑問や怒りを覚える人が多い。

では、どのようにすれば評価され、ボーナスや収入がアップするのか? 

私は企業の現場に入って目標を絶対達成するコンサルタントだ。なので当然、クライアント企業の社員に成果を求める。社員は社員で、その分の評価と対価を要求する。

つまり、会社の業績を上げるプロである以上、我々は、一般会社員の収入をアップさせるプロでもあるということだ。ここが連動しない企業支援などあり得ないからだ。

なので、私がハッキリ書こう。どうやったらボーナスや収入がアップするのか。その確実な方法を。

■ 評価される技術が「心がけ」では……

このような命題には、多くの偉大な先人たちが書籍に残し、答えている。

最近も、どうやったら稼げる人になるのか。年収がアップするのか。という本を何冊か読んでみた。そこに書いてあることは、だいたい、

「謙虚になる」「相手の話をよく聞く」「先回りしてニーズを掴む」「相手の自己重要感を満たす」「愚痴や悪口を言わない」「タバコを吸わない」「物欲を持つ」「ファーストクラスに乗る」「地頭力を鍛える」「質の高い人脈を増やす」など。

心構えや精神論ばかりだ。

もちろん、とても大切なことばかりで、実際に成功している人、収入が高い人は、そのような心構え、習慣を身につけている。

しかし、これらに気を付けたら来年の冬のボーナスアップに効果があるだろうか。確実に? いや、なかなか難しいのではないか。少なくとも再現性はなさそうだ。私は現場に入っているので、一般的な会社員が参考になる、もっと確実な方法や戦略を伝えたい。

あまりに簡単で、拍子抜けするだろう。しかし誰も反論できまいような、その方法とは、以下の2つである。

1)会社の評価制度を確認し、その通りに行動する

2)評価制度でわからないことは上司などに質問し、その通りに行動する

読んで、がっかりした人も多いだろう。ところが、この退屈なほどシンプルなことをやらない人が、ほとんどであることも事実である。

ボーナスをもらったあと、給料が支給されたあとになってはじめて「どうしてこんなに少ないんだ」「こんな評価っておかしい」と愚痴をこぼす人がいるが、私は、こういう人たちに質問したい。

「ご自身がどうすることで、どのような評価になり、どうすることで、いくらぐらいのお金が増えるか知っていますか?」

と。

実際に、会社の評価制度を確認することもなく、実際に下された評価を「評価」する人がいる。

どうすればボーナスが増えたり減ったりするか、その基準や運営ルールを知りもしないのに、ボーナスが支給された後で「少ない」と言うのだ。どう考えてもおかしい。

たとえば野球では「スリーバント」というルールがある。ツーストライクの後にバントを行い、打球がファウルになると打者はアウトとなる。しかし、そのルールを知らず、「そんなのおかしい!」と抗議しても聞き入れてはもらえない。

評価が正当かどうか、誰もが気になるはずだ。だったら会社の評価制度、人事制度をしっかりと確認するのだ。

それを見てもわからないなら、直属の上司に質問しよう。「どうすれば評価がよくなりますか?」「私は3年以内に年収を600万円ぐらいまで上げたいです。どうすればいいですか?」と尋ねる。

そしてその方法や秘訣を聞いたら、脳のワーキングメモリに常駐させるほど、絶えず意識するのだ。

何事も「手順」が大事だ。

私たちは会社に所属している。稀代のベストセラー作家が書く自己啓発書を参考にするのもいいが、会社のルールを頭に入れるのだ。上司の思考パターンを徹底的に洞察するのだ。それが何よりも先だ。

■ 会社で一番「評価されない人」とは?

最後に、会社で一番「評価されない人」について書く。

私は、現場で支援しているコンサルタントだから、社長や管理者たちといつも業績や人の評価について意見交換している。だからわかるのだ。どういう人が多くの経営者、管理者に「評価されない」のか。

会社の中で一番評価されない人は、ズバリやることもやらずに言い訳ばかりをする人だ。言っていることと、やっていることが相互矛盾している人である。

評価制度のことを頭に入れていないにもかかわらず、後になってから「評価が低い」「もっとボーナスを上げてほしい」と言う人は、「認知的不協和」を起こしている。主張すればするほど、印象は悪くなる。それを自覚してほしい。

評価についてストレートに質問できなくても、会社の評価制度を確認することはできるはず。年が明けると忘れてしまうので、ボーナスをもらった時点で、まず、それぐらいはしたほうがいいだろう。

経営開放性、情報開放性の高い会社に勤めていることが、大前提ではあるが。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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