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中国経済が急減速! 今後はどういう日本企業が中国進出すべきなのか?

横山信弘経営コラムニスト
その土地で生きる人たちを幸せにする、という気概はあるか?(写真:アフロ)

9月4日に閉幕したG20。ここでも中国経済が抱える構造的な問題が取り沙汰されました。現在、世界経済が中国の動向に大きく左右されていることは疑いの余地がなく、中国に進出している日本企業にも損失が出はじめています。「チャイナリスク」が高まる昨今、日本企業は中国進出をどう考えるべきなのでしょうか。

重要なことは、経済が減速しているとはいえ、中国は今も、これからも、比類ないポテンシャルを持つ国であるということです。市場の絶対的な大きさ、労働人口の圧倒的な量を考えれば当然です。他国にないリスクはあるでしょう。しかしビジネスにおいて、尽きることのない魅力があることは事実です。

中国経済が急成長していた時代、「とりあえず中国へ」「出遅れたらマズイ」といった一過性のブームがありました。そのブームに左右されて中国進出を果たした企業経営者も多かったのは間違いありません。しかし、その時代は終わったのです。もっと腰を据えてビジネスの基本に立ち返る時期に来たのだと思います。

そもそも、中国がどうの、東南アジアがどうの、アフリカがどうの、という地理的な「環境要因」を軸にしてビジネスを考えるから、覚悟が決まらないのです。「儲かるのか/儲からないのか」という物差しでその国や地域を見ているから、「その目は節穴だ」ということになります。

ここで、ベストセラー「日本でいちばん大切にしたい会社」の著者、坂本光司教授の名言を引用しましょう。それは――

「企業経営とは、5人を幸せにすることだ」

です。そして、その5人とは、「社員」「社員の家族」「お客様」「地域社会の人々」「株主・出資者」の5人。

中国に進出し、中国の人たちを相手に商売をするのであれば、お客様としての中国人。中国の人たちを雇用してビジネスをするのであれば、社員、そしてその家族としての中国人。そして、そのビジネス拠点の地域に住む人たちとしての中国人。……こういった中国の人たちの幸せを考えることがビジネスの基本です。これが原理原則。この原理原則を忘れた企業であれば、中国であろうが、どの国であろうが進出すべきではないでしょう。

「日本の社員やその家族」の幸せのために中国や他国へ進出する、というのであれば、その日本企業の姿勢は根本的に間違っています。これでは「搾取」と同じようなものです。「中国はこう攻めればいい」「中国でウケる商品はこれだ」……などと小手先のテクニックやノウハウに惑わされるのではなく、もう一度原点に立ち返り、なぜその国、地域でビジネスをするのか性根を据えて自問自答してみることをお勧めします。覚悟が決まれば、時期はどうあれ、進出すべきなのです。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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