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女性からの「相談スタイルの世間話」に、本気で答えようとしてはならない?

横山信弘経営コラムニスト
女性からの相談の多くは「世間話」?(写真:アフロ)

他人からの相談事には、2種類の目的があることを知っているでしょうか? その目的とは、以下の2種類です。

1.問題を解決したい

2.安心欲求を満たしたい

頭でっかちの人は、すべての相談の目的は前者の「問題解決」であろうと考えます。私のようなコンサルタントは職業柄、すぐにそのように判断し、後者の「安心欲求」目的の相談でさえ、問題を解決しにいってしまう癖があります。気をつけなくてはなりません。それでは、具体的に会話例を見ていきましょう。

たとえば奥様から以下のような相談をされたとします。

「隣のお宅のほうから、昼間にしょっちゅう大きな叫び声が聞こえるんだけど、どう思う? どうも小学生のお子さんの声じゃないかって思うの」

こういう相談であれば、旦那様は問題を解決するために頭を働かせないといけないことでしょう。

「そうだなァ、家庭にはいろいろとあるからな」

などと呑気なことを言っている場合ではありません。いっぽうで、以下のような相談をされたらどうでしょうか。

「私の高校時代の友達が先月出産したんだけど、旦那さんが中国に単身で駐在することが決まったんだって。どう思う? 子どもが産まれたばかりなのに可哀想じゃない」

こういう相談であれば、相談というスタイルをとった世間話ですので、適当に返事をしなければなりません。

「その旦那様がとり得る選択肢は2つあると思う。ひとつは辞令通り中国に駐在すること。もうひとつは家から通える会社に転職することだ。通勤圏内にどのような企業が存在するかをまず調べたほうがいい。そしてその旦那様の職歴や技能、年齢などを書き出し、転職できそうな先があるかどうかを検証する。知り合いに転職コンサルタントがいるから話を聞いてみてもいい。その旦那様には俺から連絡をとったほうがいいかな? こういうことはすぐに動いたほうがいい」

などと、本気で問題解決しようとしてはいけません。奥様は「この人に相談するんじゃなかった」と思うことでしょう。こういう場合こそ、

「そうだなァ、家庭にはいろいろとあるからな」

と、適当に返事をすればいいのです。

「子どもが産まれたばかりなのに、単身で中国駐在っていうのは、大変だな。奥様もそうだろうけど、旦那様もツラいことだろう」

「そうなのよ。会社側ももっと配慮すべきじゃない?」

「きっと優秀な人だから、将来を嘱望されてそういう異動になったのだと思う。でも、それにしてもなァ」

「そうよ。今からでも何とかならないのかしら」

「どうかなァ、けっこう難しいんじゃないかなァ」

……と、これぐらいのテキトーさで世間話に付き合うべきです。そうでないと相手にペースを合わせたコミュニケーション(ペーシング)ができません。レッテルを貼るわけではありませんが、女性からの相談時は「安心欲求」を満たしたいという目的である可能性が多分にあります。その相談を受けて、論理的に話を噛み合わせたほうがいいのか、それとも表面的にだけ合わせればよいのか、正しく識別してギアチェンジできることが、円滑なコミュニケーションをするうえで大切なことです。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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