「爆買い」から「並買い」へ? 中国人観光客「爆買い」が終わった後の対応はどうする?
中国の株価下落、人民元切り下げなど、中国経済の減速を象徴するニュースが続いています。その影響で、中国からの訪日観光客が急減するのではないか、「爆買い」が終焉するのではないか、という憶測が流れています。
しかしながら、中国経済がこのまま減速を続け、中国人のモーレツな購買欲が沈静化したとしても、「爆買い現象」が終わり、すっかり以前のような状態に戻るかとうと、極端な揺り戻しはないだろうと私は考えます。
為替変動が気になりますが、それでも「ビザ緩和」の影響は強く、中国からの訪日観光客数は今後も一定の水準を保つことでしょう。中国におけるSNSの普及に伴い、日本製品の評価は口コミで拡散しています。中国人ひとりで便器や炊飯器を5個も10個も買ったりするような「爆買い現象」は落ち着いてくるかもしれませんが、それでも、家電製品や化粧品を自分や家族の分ぐらいに購入する「並買い」程度の状態は続くと推測します。
普通の訪日観光客であれば、日本にしか売っていないお土産や記念品を買うことはあっても、自国でも購入できる家電製品や薬、化粧品などを買うことは稀です。たとえ中国人たちの購買欲が「並買い」に落ち着いたとしても、それでも日本経済にとっては大きなビジネス機会であることは間違いありません。
とはいえ「爆買い」から「並買い」に落ち着いたら、そのための対策が急務です。
これまでは中国人観光客をお店に案内し、売れ筋商品を大量に並べておけば勝手に売れていったでしょうが、今後はそう簡単にはいきません。キチンと販売スタッフが正しく接客し、能動的に販売するプロセスが必要です。受動的な販売から、能動的な販売へ――。そのための教育システムが必要です。
百貨店や家電量販店、ドラッグストアなど、「爆買い」に売上を依存するのではなく、今後は販売スタッフの教育や採用にも力を入れていく必要があるように思います。