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ひねくれている人に「たとえ話」は危険!?

横山信弘経営コラムニスト

効果的な「たとえ話」をすることで、相手の理解度を促進することができます。次の表現を読んでみましょう。

「小麦粉に水を加えてしっかりと練り込んでいきます。しばらくして【つきたてのお餅】のように柔らかくなったら、いったん手を止めましょう」

単に「柔らかくなったら」というより、「つきたてのお餅のように柔らかくなったら」という表現を使ったほうが、より理解されやすい。そう思うからこの「たとえ」を使うのでしょう。このような「たとえ話」の種類は数えきれないほどあります。しかし相手によっては、「たとえ話」を使うと、かえって危険な場合もあるのです。たとえば、

「不祥事を起こした後の迅速な対応は、とても重要です。ジョンソン・エンド・ジョンソンがタイレノール事件で見せた、積極的な情報公開、スピーディで誠実な対応は、お見事でした。わが社も、クレーム対応をしっかりするために、今から体制を整えるべきです」

このような提案を誰かがしたとき、思考パターンが同じ人なら、

「その通りだ。当社も、クレームや不祥事を起こしたときの対応を見直さなくてならない」

と応じてくれることでしょう。しかし、思考が歪んでいる人であれば、

「いやいや、当社は製造メーカーだ。医療品の会社じゃないんだから参考にならない」

と相手の意見を否定することでしょう。「最初から否定ありき」の態度の人は、

「たとえば●●さんのように~」

「たとえば●●をするかのごとく~」

と言うと、ここぞとばかり「揚げ足取り」をすることがあります。話の論点からずれた反論をされる、ということです。

「つきたてのお餅のようにと言っても、つきたてのお餅は、どちらかというとネバネバしてますよね?」

「ディズニーランドで働くスタッフのようにと言うんだったら、ミッキーマウスを連れてきてほしいわ」

「たとえ話」は相手を見て使ったほうがよいと言えます。思考が歪んでいる、上から目線で否定を繰り返す人には、「クレームに正しく対応できる体制づくりをしましょう」「スタッフ教育を見直すべきです」とストレートに意見をぶつけたほうが反論されづらいので、覚えておきたいですね。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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