成功するための「数字を読む力」
「成功法則」の本を読むと、成功するためには、夢が叶ったとき、目標が達成したときのイメージを味わえと書いてあります。五感をフル活用し、臨場感たっぷりに味わうことで成功が引き寄せられてくるという発想です。たとえば、美容院の経営で成功したい。10年で日本全国20店まで店舗を拡大したい。自分が経営オーナーとして、こうした成功イメージを持つことはできます。しかし、イメージができたとしても、なかなか成功を掴みとることができないのが現実。20店舗どころか、1店舗の経営も芳しくない。なかなかお客様が集まらず、2年経っても3年経っても1店舗の営業で苦しんでいる、ということがあります。
問題は、成功イメージまでの距離が遠すぎることです。何をやったら期待通りの結果が手に入るのか、近距離のプロセスイメージを描いていきましょう。このときに大事になるのがプロセスイメージの深度です。深度は「数字」ですから、「数字を読む力」と言いましょうか。多くの人は「方法」と「結果」のみを考えがちです。「結果を出すためにはどのような方法がいいのか」と短絡的に考えてしまいます。たとえば、
「どのようなチラシを撒けば、どれぐらいお客様が来店するか?」
という仮説です。数字がなく、プロセス距離も少し遠い。方法論しか頭にないから、このような発想となってしまいます。マネジメントサイクルをまわすためには、もっと分解し、結果を出すための方法に「プロセス」と「量」の要素を付け加えていきましょう。前述のケースで言うと、
「どのようなチラシを何枚、どこで誰に渡せば、どれぐらいの反応があるのか。そしてどれぐらいの反応があれば、どれぐらいのお客様が来店するか?」
と考えます。チラシを渡す人、渡す場所、渡す枚数と、その反応の数も計測することが重要です。いきなり来店者数をカウントするのではなく。
ブログを書いて集客するときもそうです。「どんな記事をブログに書くことでアクセス数が増えるか?」と、大ざっぱに考えるのではなく、「どのような記事を、どのタイミングでブログにアップすると、どの時間帯に、どのような属性の人が、どのぐらい閲覧してくれるか? 流入元のサイトはどこが最も多く、その数はどれぐらいか? 1か月間計測したときの、平均PV数は?」と、プロセスを分解して数値化し、PDCAサイクルをまわします。定量的な行動指標(アプローチの量)に対する期待値(リターンの量)をセットで仮説を立案します。この細かさ、ディテールが再現性のある結果をもたらします。
成功イメージ(遠隔目標)のみならず、プロセスイメージ(近接目標)を正しく設定する習慣を身につけましょう。プロセスイメージは成功イメージからの逆算でなければなりません。ネット時代に成功するための「消去法スキル」で書いたとおり、何度もトライし、自ら主体的に「うまくいかないこと」を消去していくことでプロセスイメージの深度が深くなります。成功イメージも鮮明になっていきます。成功するための「数字を読む力」をつけましょう。