「逆説の成功法則」~ これまでの成功法則では成功できなかった人たちへ

成功法則の本をどんなに読んでも、全然成功しない……

「成功法則」「成功哲学」は、どれだけ通用するのか?

私は企業に入り込んで目標を絶対達成させるコンサルタントです。研修講師ではなく、実際にコンサルティングして結果を出すわけですから、世の中に出回っている「成功法則」「成功哲学」がどれぐらい通じるのか、常に肌で感じる機会があります。(今回扱う「成功」という定義は、富や名声、権力を手に入れることとします。この手の「成功」に興味のない人は読み飛ばしてください)

私は世に出回っている「成功法則」には、大きく4種類あると考えていて、以下に書き出していきます。具体的な提唱者の名前、書籍、セミナー名等は割愛しますが、ひとつひとつの方向性を私なりに解説いたします。

● 正統派「成功法則」

● スピリチュアル系「成功法則」

● 心構え系「成功法則」

● キラキラ系「成功法則」

正統派「成功法則」とは?

正統派「成功法則」とは、「目標を具現化し期限を設定する」「目標の意義を問う」「行動計画を作り、近接目標を設定する」「阻害要因を洗い出す」「公に宣言する」といったものであり、経営コンサルタントの立場からしても再現性が高そうに感じる類のものです。

問題は、後述する「キラキラ系」と比較して面倒そうだと感じること。そして古典的な内容なので新鮮味に欠けることです。正直なところ「成功法則」を知りたいと思う人の目的は目標を達成させること、成功を勝ち取ることであるはずなのに、斬新な方法論やメソッドこそ価値があると考える人がいます。「成功法則コレクター」「自己啓発セミナー愛好家」には退屈な法則かもしれません。

スピリチュアル系「成功法則」とは?

スピリチュアル系「成功法則」には、いろいろとあります。メジャーなスピリチュアル系「成功法則」としては、「潜在意識を味方につける」「神経を集中して成功のイメージトレーニングをする」「深呼吸を繰り返し瞑想する」「目標を書いて張り出す、持ち歩く」などでしょうか。「スピリチュアル系」と書きましたが、決して怪しいメソッドではありません。再現性のある方法論です。とはいえ「神経を集中し、五感をフルに使って、生理的反応が高ぶるまで成功イメージを味わう」といった高度な技術ができるようになるまでは、相当な訓練と、自己陶酔できる能力も必要です。

自分の殻を破るために「成功した自分をイメージトレーニングせよ」と言われても、そのこと自体をするために、まず自分の殻を破らなければならない人もいることでしょう。自分の殻を破るためには、まず自分の殻を破らなければならないため、堂々巡りを繰り返す場合もあります。「自己啓発セミナー」に多い手法であり、一般的にハードルが高いと言えます。ただ、この系統の話題、方法論が好きな人には意義深い内容と言えます。

心構え系「成功法則」とは?

心構え系「成功法則」とは、まさに心構えや精神論のこと。うまくいくために日ごろから意識してもらいたい言葉の数々であり、純粋な「成功法則」とは言えません。前述した2種類と異なり、再現性がありません。

具体的には、「念ずれば夢は必ず叶う」「日ごろから感謝する」「誰に対しても謙虚になる」「自分の可能性を信じる」「主体的になる」「常に勉強しろ」「時にはリスクを冒せ」……といった心掛けです。普段からの心の持ちようのことなので、「方法論」ではありません。こういった考えや教えを守っても守らなくても、成功する人は成功しますし、成功しない人は成功しません。成功者に多い口癖や考え方を紹介しているにすぎないと言えるでしょう。これらは「名言」「心構え」であって、「成功法則」と混同すべきではありません。

キラキラ系「成功法則」とは?

キラキラ系「成功法則」とは、「キラキラワード」を使った成功法則です。(※参考:「キラキラワード」が日本をダメにする) 「大好きなことだけやれば必ず成功する」「努力しないでうまくいく15の法則」「あなたは、あなたらしくあれば絶対に結果が出る」「1日5分の習慣だけで年収1億円」といった綺麗ごとの法則です。この法則のポイントは2つです。

1)とにかく「ラク」にできるといった主張

2)具体的なアドバイス(数値的計画など)の欠如

キラキラ系ですと、当然のことながら再現性がありません。ストレス耐性の低い人を対象とした商業的意味合いの強い方法論、考え方であり、注意が必要です。とはいえストレスがかからないキャッチ―なコピーに惑わされる人は多く、「そんなラクな方法があるなら、いいかも!」「それぐらいなら私にもできるかも!」と受け止める人が飛びつきます。また、前述した、正統派「成功法則」に食傷気味の人が興味を示すことでしょう。しかし実際のところ、こういったキラキラ系「成功法則」もすでに乱立しており、需要がなくなりつつあるのが現実です。理由は2つ。「再現性がないため、実際には期待したとおりの成功を手に入れられない」「成功法則コレクターも食い飽きた」。

成功法則を知って気を付けるべき2つのポイント

今さら新しい「成功法則」を考える必要はありません。正統派「成功法則」とスピリチュアル系「成功法則」のミックスが王道でしょう。未来で成功している自分のイメージを描き、そこから逆算して正しい行動計画を作ってマネジメントサイクルをまわすのです。こういった王道の「成功法則」を頭に入れながら行動し、たまに、心構え系「成功法則」で教えられる名言や精神論を思い出しては、自分を戒めればよいのです。私としては、高度情報化時代となり、大量に入ってくる「ノイズ」に惑わされないため、以下2つのことを覚えてもらいたいと考えています。

■ 「感情」は後からついてくるもの

■ 「心理的時間」は「物理的時間」と異なる

「楽しい」「好き」「前向き」「やりがいを感じる」「モチベーションが高い」といった感情は、自ら主体的に行動した結果によって湧き上がる感情です。後から出てくるものであり、先にあるものではありません。こういった感情がないと実践できない、スタートできない、という発想をしていると、無限ループにはまっていきます。ですから「やりたいことだけやれば成功する」等といった表現は、論理的におかしく、人を迷わせることになっていきます。

成功者が「成功している現時点」で、今の仕事や生活が「楽しい」「大好き」と言えるのは当たり前であり、成功に向かって行動をはじめた時点でそのような感情があるかどうかは別問題です。そのような人もいれば、そうではない人もいるということです。感情が成功する条件となってはいけないのです。

また、キラキラ系「成功法則」の本やセミナーに触れ続けていると、「すぐうまくいく方法」「これだけをやっていれば結果が出る方法」があるに違いないと思い込んでしまうせいで、古典的な成功法則を時代遅れだとレッテルを張ることがあります。人間の脳や精神は何万年も進化していません。やり方はいつも同じなのです。そもそも昔は「100」の時間がかかったことが、「1」の時間でできると信じてしまうことが大問題です。それはあり得ません。ただ、高度情報化時代になり、確かにショートカットしたことがあります。それは「成功法則」を知るまでの時間です。

昔は一握りの成功者しか知り得なかった成功法則が、現代は書籍やセミナーを通じて簡単に手に入るようになりました。ですから、誰でも膨大な時間をかけて試行錯誤を繰り返し、その法則を自分の手で見つけ出すということをしなくて済むようになりました。偉大な先人たちによって開発され、文書化された素晴らしい事実、この恩恵を忘れてはなりません。

「成功法則」を知る時間が極端に短くなったわけですから、あとはやるだけ。実行あるのみです。しかし実際に始めてみても、なかなかうまくいきません。いろいろと試してみるのですが、いっこうに期待どおりのリターンがないのです。これは「心理的時間」を正しくつかめていない時に起こる現象です。新しいことを意識し、行動をはじめると、たとえ「物理的時間」は同じであっても「心理的時間」が長く感じるもの。ストレス耐性が低い人は、「なかなか期待通りにならない」と受け止め、途中でやめてしまうのです。そしてうまくいかないのは自分の責任ではなく、「方法論」の責任にすり替えてしまいます。

逆説の成功法則

これだけ「成功法則」が身近な存在となった現代でも、いわゆる「成功」をするのは一握りです。それでは、どうすれば成功するのか?

正しい「成功法則」を探すのではなく、間違った「成功法則」を消去していくしかありません。

これが私が考える「逆説の成功法則」です。次から次へと現れる間違った「成功法則」、疑わしい「成功法則」、再現性のない「成功法則」を論理的に打消し、「もっとラクして結果を出したい」というノイズを脳のワーキングメモリーから外へ追いやることが、現代の私たちに必要なことだと思っています。繰り返しますが、富や名声、権力といった「成功」に興味がない人には関係のない話でしょうし、興味を持つべきではないと思います。

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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