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フェイスブックの「いいね!」で共感力を高め、リアルに幸せになる逆転の発想

横山信弘経営コラムニスト
「小さな自己啓示欲」が幸せを運んでくれる……

フェイスブックの「いいね!ボタン」とは?

今回はフェイスブックの「いいね!」ボタンを積極活用して、共感力をアップし、結果的に幸せをも手にしよう、という考え方を記します。

フェイスブックに代表される多くのソーシャルメディアには、「いいね!ボタン」と呼ばれるコミュニケーション機能が搭載されています。記事・コンテンツに共感したり、支持できる、と感じた場合にその感情を示すためのソーシャルボタンです。

フェイスブックの場合では「いいね!」を押すと、友達のニュースフィードにコンテンツが登場するため、情報拡散の重要な役割も担っています。(さらに積極的にコンテンツを広めたい、拡散させたいという場合は「シェアボタン」を押すという方法があります)

コミュニケーション能力向上のための「共感力」

コミュニケーション能力の向上には、相手とどれぐらい共感できるか「共感力」が重要だと言われます。確かに相手に共感されるような話し方、コミュニケーションができると、人間関係を良好に保つことができるでしょう。そこで、どのようなネタであれば人は共感を持ってくれるか、どうすれば「へ~」「そうそう」「あるある」「すごい!」と感じてくれるかを考えていきましょう。どういうコンテンツをアップすることで「いいね!」をたくさん得られるか、繰り返し実験してみるのです。

ただ「共感性」について、いまいちわかりづらいと考えている人は、「共感を超える感情」を狙ってほしいと私は思います。自分自身は面白い、興味深いと受け止めたネタが、他者も同様な反応を見せるとは限りません。頑張ってネタを仕込んでも周囲の反応が薄い場合は、それほどインパクトがなかったということです。自分と他者の「共感性」にズレがあるのかもしれません。

そこで、あえて「共感を超える感情」を狙います。「共感」が「そうそう」「あるある」だとすると、「共感を超える感情」というのは、「う~~ん……、その通りだ!」いうもの。「驚き」と「感動」とまではいかなくても、「う~~ん……」と、コンテンツに感心するのに少しの時間がかかり、かつ「その通りだ!」とついつい声に出してしまうほどの感情を持つということです。大げさかもしれませんが、これまで「共感力」に乏しいと思っていた人が「共感力」をつけるためには、それぐらい大げさに考えたいものです。

過去の体験の「インパクトの強さ」と「その回数」によって、脳のプログラムはできています。私たちが何かの情報に触れて共感するのは、自分の過去の体験からして、似たような感情を抱いたことが多くあるから、もしくは、その体験がとてもインパクトがあったからのどちらかです。だからこそ、共感できるコンテンツに触れると、脳のプログラムが作動して、「そうそう!」「だよねー」という感情が無意識的に沸きあがってくるのです。

「フェイスブック疲れ」を招かないためにも「共感性」を意識する

「いいね!」をたくさんもらったり、「シェア」によってコンテンツが拡散されることを狙うなら、誰もが欲しがるオトク情報や、アッと驚く珍ネタを紹介する、偉大なる先人たちの名言をつぶやく、ということでもよいでしょう。しかし、それでは「共感力」をアップすることはできません。「いいね!」をもらうためだけにネタを探していると、「フェイスブック疲れ」と呼ばれる疲労感に苛まされるかもしれません。

そこで私が提案したいのは、以下の2つのことです。

1)わかっちゃいるけど、なかなかできないことを実践する。

2)その体験から得られた感想や、教訓をアウトプットする。

「わかっちゃいるけど、なかなかできないこと」というのは、多くの人に共通していると思います。朝早く起きたり、運動を継続していたり、ダイエットを頑張ったり……。多くの場合は「継続」です。「続ける」ことです。

「わかっちゃいるけど、なかなかできないことを継続して実施する。そこから得られたポジティブな感情」をネタとしてアップすると、多くの「いいね!」が得られ、シェアされて拡散される可能性も高まります。

人は「物語・ストーリー」に共感します。そして「物語・ストーリー」には、必ず「葛藤」が存在します。主人公が成長するために通る『葛藤の道』を一緒に歩むことで、鑑賞者は共感を覚えるのです。

フェイスブックで「いいね!」を増やすことは、正直なところ、ビジネスで活用するわけではないのなら、あまり意味がないと私は考えています。しかし、人から共感されたい、感心されたい、という「小さな自己顕示欲」は誰にでもあるもの。この「ちょっとしたアピール欲」を満たすために、毎日、「わかっちゃいるけど、なかなかできないこと」を継続します。そこで覚えた「葛藤」を記事にしてアップし、「いいね!」を増やすのです。

ポイントは、「誰もがやれるのに、なかなかやれないこと」です。「弁護士の資格に合格した」「年収が2000万円を超えた」「青山の一等地にビルを建てた」というネタだと、「いいね!」はもらえるかもしれませんが、継続的なネタにはなりませんし、人から「共感」されるネタではありません。強烈な自己啓示欲は満たされても一瞬で終わります。

「毎朝5時に起きて30分散歩する」「1週間に1冊は本を読んで感想文を書く」「子供に毎晩、絵本の読み聞かせをする」……こういった内容であれば、誰もができることです。しかし、小さなことでも継続するのは厄介です。なかなか続けられません。だからこそ葛藤やストレスを覚えるため、それがネタになります。

「昨日は雨だから朝のジョギングをさぼりました。その分、今日は2倍走ります!」

「子供に怒らないと誓ったのに、昨夜は怒ってしまいました。今日からはまた毎日『お母さんの笑う声、素敵だね』と子供に言われるよう頑張る!」

「自炊をはじめて3週間目となりました。でも毎日カレーライスだと飽きてくるので、料理のレパートリーを増やすために昨日、本を買いました。親にわがまま言って一人暮らしをはじめた以上、健康面で心配かけないよう努力していきます」

日々の葛藤を肯定的な言葉に変換してアップします。そうすることで、多くの人から「いいね!」をもらえることでしょう。「頑張れ!」「私もやらないと」「見習いたい!」といったコメントももらえるはずです。

世の中の多くの人が、同じようなことで悩み、チャレンジして、挫折した経験があります。その過去があるため、小さなことでも続けようとする努力とそのプロセス、そして自分を鼓舞しようとするポジティブ発言に共感するのです。勇気や潔い気持ちに感動するのです。

高級な車、ファッションを手に入れても、どれほどリアルな「いいね!」がもらえるかわかりません。羨望の眼差しを向けられるのは一瞬だけ。次から次へとインパクトのある体験を入手しないと、膨れ上がった自己啓示欲・アピール欲は満たされません。

しかし「いいね!」ボタンによって、日々多くの人から「共感」され「小さな自己啓示欲」が満たされたら、退屈な日常も充実していきます。多くの人が「わかっちゃいるけど、なかなかできないこと」を実践しているわけですから、過去にできなかったことができるようになり、自信もついてきます。健康的な生活ができるようになり、家族との対話や仕事のスキルがアップします。こうしてリアル生活が充足されていくのです。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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