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ボーナス・賞与をアップさせる! 簡単に「評価される」2つの技術

横山信弘経営コラムニスト
どうやったらボーナスがアップするのか、誰か教えてほしい……

評価される技術が「心がけ」では……

今年もボーナスの時期がやってきました。この時期になると、多くの人が、どうすればボーナス(賞与)がアップするのか、収入が増えるのかと考えることと思います。そしてその都度、会社の人事考課・査定について納得がいかない。これだけ頑張っているのに、どうして評価されないのかと疑問や怒りを覚える人もいるでしょう。

どのようにすれば評価されるのか? ―ーという命題は、多くの偉大な先人たちが書籍に残しています。「謙虚になる」「相手の話をよく聞く」「先回りしてニーズを掴む」「相手の自己重要感を満たす」「愚痴や悪口を言わない」など、心構えや精神論はいくらでもあります。ただ、会社の評価に納得がいかない人は、このような心構えを知っても納得はしないでしょう。

私は現場に入って目標を達成させるコンサルタントです。多くの企業の現場に入ってコンサルティングしているため、どのように人を動かし結果を出してもらうか熟知しています。そのうえで書くと、「後付け」の評価に釣られて行動を変えたり、意欲をアップさせたりする人はごく一部です。正直なところ、ほとんどいません。「ここまでやったらA評価にする。A評価になれば賞与はここまでアップする。だから行動を変えよう」と伝えても、もともと意欲がない人は、そういった上司の言葉に踊らされません。行動を変えない人、意欲的にならない人はもっともっと別の理由があるのです。

(※いつも「目標達成できる人」の謎を参照)

心の底から評価されたい人はどうすればいいか?

しかし少数派であっても、「もっと会社に評価されたい」「もっとボーナスをアップさせたい」「もっと他人よりお金がほしい」と真剣に考えている人もいます。そういう人に対して、簡単に「評価される技術」をお伝えします。ものすごく簡単なので、拍子抜けするでしょうが以下の2つです。

1)会社の評価制度を確認し、その通りに行動する

2)評価制度でわからないことは上司などに質問し、その通りに行動する

この2つです。驚くほどシンプルで、がっかりした人も多いことでしょう。ところが、この退屈なほどシンプルなことをやらない人がほとんどであることも事実です。ボーナスをもらったあと、給料が支給されたあとになってはじめて「どうしてこんなに少ないんだ」「こんな評価っておかしい」と愚痴をこぼす人がいますが、私はその人たちにこう質問したいです。

「ご自身がどうすることで、どのような評価になり、どうすることで、いくらぐらいのお金が増えるか知っていますか?」

と。実のところ、会社の評価制度を確認することもなく、実際に下された評価を「評価」する人がいます。どうすればボーナスが増えたり減ったりするか、その基準や運営ルールを知りもしないのに、ボーナスが支給された後で「少ない」と言うのは変です。

たとえば野球では「スリーバント」というルールがあります。ツーストライクの後にバントを行い、打球がファウルになると打者はアウトとなります。しかし、そのルールを知らず、「そんなのおかしい!」と抗議しても聞き入れてもらえません。たとえばAKB48の「じゃんけん大会」では、大会の上位16人が次のシングルの選抜メンバーになると決まっています。じゃんけんに負けたのに「私のほうが人気がある」と抵抗してもメンバーには入れません。そのことと同じです。

評価が正当かどうか、気になる人は多いでしょう。ですから会社の評価制度、人事制度をしっかりと確認しましょう。それを見てもわからないなら、直属の上司に質問するのです。「どうすれば評価がよくなりますか?」「私は3年以内に年収を600万円ぐらいまで上げたいです。どうすればいいですか?」と尋ねるのです。

そのように部下から聞かれた上司は「よくぞ言った!」と手放しで喜んでくれるはずです。誰だって上司なら、部下を評価したいのです。しかし自分の思うとおりに行動してくれなかったり、成果を出してくれないため、渋々、低い評価にするのです。上司たちは通常、部下にもっと評価されるよう動いてほしいと願っているわけですから、部下から「どうすれば評価されますか」と質問されて嫌な気分になることはありません。

会社で一番「評価されない人」とは?

評価制度を知らずに、評価を気にする人は、「認知的不協和」を起こしています。自分自身で言っていることや、やっていることが相互に矛盾しているという意味です。会社の中で一番評価されない人は、やることもやらずに言い訳ばかりをする人です。言い訳というのは、必ず「後付け」になるもの。

「2週間前には確かにやると言いましたが、ちょっとバタバタしていたので……やっていません」

「確かにそのときはやると言いましたが、そもそもコレって本当に私がやることなんでしょうか」

誰か(上司)に指摘されてから「後知恵(あとぢえ)」で自己肯定することを言い訳と言います。指摘される前に報告や相談をしておけば問題なかったはずなのに、指摘されてから「できない理由」「できなかった理由」を話そうとするので「言い訳だ」と言われてしまうのです。

つまり、評価制度のことを頭に入れていないにもかかわらず、後になってから「評価が低い」「もっとボーナスを上げてほしい」と言う人は、後付けの「言い訳」を口に出す思考プロセスと同じ。

会社の評価制度を仔細にチェックするのはいやらしい、評価に関する質問を上司にするのは気が引ける、というのではなく、単純に、「今期はここまでやるので私を評価してください」「今年こそ成果を出しますので、ボーナスを上げてもらえるよう社長にかけあってください」と言う覚悟がないのです。事前に約束できず、事後に文句を言う思考の人が評価されることなどありません。つまり、その思考だからこそ会社に評価されないのかもしれないのです。

評価についてストレートに質問できなくても、会社の評価制度を確認することはできるはずです。それぐらいはしたほうがよいですね。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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