メニュー偽装、食材誤表示の問題が次々と発覚!

阪急阪神ホテルズで食材メニューの偽装が発覚した後、帝国ホテルやリッツカールトン大阪、さらに高島屋、三越伊勢丹、そごう・西武といった百貨店でも次々に食材偽装、誤表示の問題が明るみに出ています。問題の広がりを受けて消費者庁も介入しはじめました。

冷凍の魚を「鮮魚」。とびうおの卵を「キャビア」。ブラックタイガーを「車エビ」……などなど。挙げはじめたらキリがないほどの偽装、誤表示の例が摘発されています。

とはいえ、絞りたてのジュースより、実際に提供していた濃縮還元ジュースのほうが飲み比べると美味しい、という声もあるなど、「表記に問題があったかもしれないが、実際には美味しいもの、比較しても味がほとんど変わらないものをお客様に提供していたのだから、それほど騒ぐことなのか?」という開き直りに似た態度も私たちは目の当たりにしています。

「顕示的消費」を促がす心理テクニック

ところで「ウェブレン効果」という言葉をご存知でしょうか。ウェブレン効果とは、アメリカの経済学者、ソースティン・ウェブレンの著作「有閑階級の理論」で紹介された心理効果のこと。有閑階級の消費特徴は「顕示的消費」、つまりお金持ちの買い物は「見せびらかし」であると断じたことからきています。実際の機能よりも「価格が高い」というだけで、あたかもその消費の「価値が高い」と思い込む心理作用のことを指しており、営業・マーケティングコンサルタントである私どもは、プライス戦略をするうえで参考になる心理効果です。

要するに私たち人間は「高いものほど効能も高い」。転じて「高そうな食材名のほうが美味しいに違いない」というバイアスにかかりやすいのです。一連の偽装問題は、美味しいものを提供するために食材や製法を吟味している、ということではなく、まず高価格の設定ありきの発想からきています。オレンジジュースを900円で売りたい。グレープフルーツジュースを1200円で売りたい。その価格自体が、お客様の味覚を狂わせます。しかし、なぜそんなに高いのか消費者に理由を説明しなくてはなりませんから、後から「高級そうな食材」「手間がかかりそうな製法」というワッペンを貼るわけです。

「確かに表示は誤っていたが、決してマズイものを出しているわけではないので、お客様を裏切ったつもりはない」

という弁明は通りません。もちろん、心理バイアスがかかるウェブレン効果を狙っている以上、その味を見抜けなかった消費者側に問題はないのです。表示通りの食材を使うと利益が上がらないというのであれば、さらに価格を上げるしかありません。そしてその価格に見合う価値を提供することです。