全国の名店が入れ替わる「ご当地ラーメンチャレンジ」とは

東京駅八重洲地下の『東京ラーメンストリート』で「ご当地ラーメンチャレンジ」がスタートした。
東京駅八重洲地下の『東京ラーメンストリート』で「ご当地ラーメンチャレンジ」がスタートした。

 東京駅八重洲口地下に広がる『東京駅一番街』(東京都千代田区丸の内1-9-1)は、グルメやお土産などの物販店舗が集まる人気スポット。その中でも2009年のオープン以来、人気を集めているエリアが『東京ラーメンストリート』だ。

 「東京で真っ先に食べたいお店」をコンセプトに、『六厘舎』『斑鳩』など、都内屈指の人気店8軒が集結したラーメンコンプレックス。これまでは東京に店舗を構える店が出店していたが、7月15日より東京以外の名店が出店する期間限定店舗企画『ご当地ラーメンチャレンジ by 東京ラーメンストリート』がスタートした。

 全国の人気店が約100日ずつ入れ替わりで出店するこの企画では、第1弾~第7弾まで7店舗が期間限定で出店。食べたくてもなかなか食べに行けない今だからこそ「遠出をせずとも東京の玄関口である東京駅で全国の名だたる名店の味を気軽に味わっていただきたい」というコンセプトで、東京ラーメンストリートとして初の期間限定店舗が展開されていく。

 今回、全国各地の人気ラーメン店と東京ラーメンストリートを繋ぐのは、自身も『ひるがお』『俺式 純』の2店舗を出店している『せたが屋』代表の前島司さんだ。

「様々な人が行き交う日本を代表する東京駅。人と人を繋ぐ場所であった東京駅。この地と全国のご当地有名ラーメン店を繋ぐ橋渡し役として、微力ながらお手伝いさせて頂くことになりました」(せたが屋 代表 前島司さん)

出店第1弾は神奈川の名店『支那そばや』

「東京ラーメンストリート」に初出店する『支那そばや』。
「東京ラーメンストリート」に初出店する『支那そばや』。

 今回『ご当地ラーメンチャレンジ by 東京ラーメンストリート』の第1弾として出店するのが、神奈川を代表する名店『支那そばや』(神奈川県横浜市戸塚区戸塚町6002-2)だ。1986年の創業から数えて35周年となる節目の年に、7月15日から11月4日までの期間限定ながら、念願の東京初進出となった。

 創業者である故佐野実さんは、食材への飽くなき探究心でラーメン業界に一石を投じた人物。麺に使用する小麦から、タレに使う醤油、スープに使う水、さらにはラーメン専用に鶏を開発するなど、自らの目と舌で納得した厳選食材を一杯のラーメンに対して惜しげもなく使った。さらにはラーメンを入れる「丼」までも、自分のラーメンの味や香りに合うものをと有田焼の窯元と共同開発した。それまでのラーメン界の常識ではあり得なかった佐野さんのラーメンによって、世の中のラーメンは劇的に進化した。

「ラーメンの常識」を変えた一杯とは

ラーメンの常識を変えた『支那そばや』の「醤油らぁ麺」(写真提供:支那そばや)。
ラーメンの常識を変えた『支那そばや』の「醤油らぁ麺」(写真提供:支那そばや)。

 今回、東京駅で提供される「醤油らぁ麺」は、『支那そばや』の看板メニューにして代表作。自家製麺の小麦は、稀少な銘柄「春よ恋」の中でも入手不可能とまで言われる「北海道美瑛産」を使用。スープには「三元豚」「金華豚」のゲンコツ(大腿骨)と、ラーメン専用に開発された「山水地鶏」、さらに「名古屋コーチン」「淡海地鶏」を使用。醤油、チャーシュー、ネギに至るまで、産地や銘柄を徹底して厳選したものを使っている。

 有田焼の丼から立ち上がる鶏と醤油のふくよかな香り。レンゲでスープを飲めば一気に口の中に旨味が広がり、しなやかでなめらかな自家製麺を啜れば、麺本来の美味しさと共にスープの旨味と香りが同時に押し寄せてくる。ここ数年、ラーメン界では鶏を使ったスープに醤油が香る「淡麗系」と呼ばれるラーメンが一つの潮流になっているが、その源流にあるのは間違いなく『支那そばや』の「醤油らぁ麺」だ。

 かつてB級グルメと言われていたラーメンは、今では世界的なグルメガイドにも掲載され、海外から見ても寿司や天ぷら同様に日本を代表する料理になっているが、その嚆矢として30年以上も前からラーメンを磨き上げて来た『支那そばや』の功績は大きい。そんな歴史的な一杯が、創業して35年の時を経てついに東京で食べられる日が来たのだ。

「佐野は生前『お客様へのお礼は味で返す』と申しておりました。このような世相でも来店されるお客様への感謝の気持ちを東京ラーメンストリートの地で、明日への元気と活力を皆様と共に味わいたい。そしてそれが何かしらの恩返しになればと思っております」(支那そばや 店主 佐野しおりさん)

※写真は筆者によるものです(出典があるものを除く)。

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