日本スポーツ界注目のサッカー日本代表戦。“超厳戒態勢”での再出陣に寄せられる期待

サッカー日本代表(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

 サッカー日本代表にとって今年初、昨年12月のEAFF E-1選手権(韓国・釜山)以来となる国際Aマッチ・カメルーン戦は、オランダのユトレヒトで日本時間10月9日21時(現地同日14時)にキックオフされる。

 日本では現在、新型コロナウイルス感染症対策として、海外から日本に入国する際に2週間の自主隔離が必要であるため、今回は国内組を招集することができず、メンバー25人全員が欧州組という史上初の編成となった。(その後、岡崎慎司と長友佑都が辞退して23人)

 日本では国内のスポーツイベントが制限付きながらも徐々に活動を始めているが、ナショナルチーム単位での対外試合を解禁している競技団体はほぼない。団体球技として初めて公式の国際試合を行うサッカーに、ファンやサッカー関係者はもちろん、多くの競技団体が注目している。

 2月下旬に、Jリーグがリーグ戦の中断を決めたときや、6月下旬に再開したときには、サッカーが他スポーツのモデルとなった。今回はさらにハードルが一段高い国際Aマッチ。安全に行いきることは、他競技が次の一歩を踏み出す後押しにもなる。

■選手1人1人が「マイアルコールボトル」を携帯

 サッカー日本代表は現在、多くの行動制限がある厳戒態勢の下で、活動を行っている。合宿は10月5日から。オランダ国内からは初招集の菅原由勢ら3人が招集され、そのほかの選手はフランス、ポルトガル、ベルギー、イタリア、ドイツ、イングランド、スペインから陸路や空路でオランダ入りした。また、森保一監督をはじめとするスタッフ陣は日本を出国する際に、陰性証明を取って欧州入りした。

 現地での動きはホテル、ホテルから徒歩7、8分の練習グラウンド、試合会場のみ。

 日本代表では普段、宿舎内に広めの部屋を取って、選手同士がコーヒーを飲みながら意見を交わしあうリラックスルームを設けるが、今回はない。A代表は普段から1人部屋だが、今回は部屋の行き来も禁じられている。

 感染防止対策は徹底している。選手は食事会場の入退室時に手指のアルコール消毒をしたり、食事以外のマスク着用が義務付けられたりしているのはもちろんのこと、普段なら数名ずつで囲む円卓形式であるところを、1人につき1つのテーブルを使って横一列に並ぶスタイルに変えた。

 各自にアルコール消毒液のボトルが配布され、選手たちはマイボトルを手に、こまめに手指消毒をしている。

■オランダ入り後にカメルーン2選手が陽性反応で離脱

 国際試合の場合は、自分たちがどれだけ徹底しても、コントロールが及ばない部分がある。それが如実に出たのが、8日に判明したカメルーン代表2選手の陽性反応だ。

 試合開催地であるオランダのプロトコルにより、直前にPCR検査を行った際に判明したもので、陽性の2人と濃厚接触者とされる1人はすでにチームを離れている。しかし、PCR検査の精度は100パーセントではなく、予断を許さない状況であるのは間違いない。

 日本ではあまり報じられていないが、欧州は現在、第2波の真っただ中にいる。フランスとイギリスでは1日の感染者数が2万人に迫り、スペインでも1万人を大きく超えている。再びロックダウンが検討されている都市もある。

 また、日本代表の合宿地であるオランダ・ユトレヒトがこのほど、ドイツ・ブレーメン州が定める新型コロナウイルスのリスク指定エリアとなった。このため、ブレーメンに所属する大迫勇也は、ユトレヒトからドイツに戻る際、5日間の自主隔離が必要。大迫が所属するブレーメンは当初、代表派遣に難色を示したが、大迫の強い要望により、カメルーン戦後に離脱するという折衷案で話がまとまったという経緯がある。

 試合は9日にカメルーン戦、13日にコートジボワール戦の順番で行われる。日本代表が活動をつつがなく進め、相手国も含めて全員が感染も負傷もなく活動を終えられること、その中で貴重な強化の場として良い試合になることを願いたい。