令和初の戦没者追悼式 踏襲しつつもご自分に合わせた「おことば」

戦没者追悼式に臨席された天皇皇后両陛下 2019年8月15日:ロイター/アフロ

令和になって初めての「全国戦没者追悼式」が8月15日、日本武道館で行われた。

平成時代には30回行われたが、上皇上皇后両陛下は天皇皇后として一度も欠かすことなく、おふたり揃ってすべてに臨席された。

上皇陛下は式典では短いながらもお気持ちのこもったおことばを毎年述べておられたが、節目のときなどには新しい文言を追加され、その内容が大きな話題にもなった。

戦後50年(1995年)のときは「歴史を顧み、戦争の惨禍が再び繰り返されぬことを切に願い」を追加され、以降、この文言は常に入れられていた。

戦後70年(2015年)のときは「深い反省」を追加され、この文言も以降、常に入れられていた。

そして、天皇として最後となった2018年は「戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ」を追加された。

では、新しい天皇陛下はどのようなおことばを述べられたか。結論を先に書けば、昨年の天皇(上皇陛下)のおことばを踏襲された。これは平成時代の天皇のお気持ちを引き継ぐという意思の表れと言っていいだろう。

ただ、まったく同じというわけではなく、目立ったところでは次のような違いがあった。

・上皇陛下は「終戦以来既に〇〇年」と述べられていたが、"既に"をカットされた。

・上皇陛下は「往時をしのぶとき」と述べられていたが、「国民の歩みを思うとき」に変更された。

・上皇陛下は「感慨は今なお尽きることがありません」と述べられていたが、「感慨深いものがあります」に変更された。

これら3点の違いは上皇陛下と天皇陛下とは過ごした時代が違うからだろう。天皇陛下は昭和35年のお生まれで、戦後の74年間を経験してこられたわけではないので、上記のようにご自分に合ったおことばに修正されたのだと思われる。

戦争を経験した上皇陛下と戦後生まれの天皇陛下とでは、同じおことばであっても国民の感じ方は違うだろう。ただ、国民側も戦争経験者は少なくなっていく。戦争を知らない国民に対して、戦争を知らない天皇陛下は、今後、平和への想いをどのようなおことばで示していかれるだろうか。

まったく違う話だが、今回、式典を見ていて、進行のまずさを感じた。

それは、標柱の前に進まれた両陛下を黙祷が始まる正午まで1分30秒間お待たせしたことである。

予定よりも早く進んでいたのなら、両陛下をお席から標柱前にご案内する時間で調整すべきだと思う。

それだと両陛下はお座りになった状態でお待ちになることになる。

これが昨年(ご高齢の両陛下)だったら、主催者は相当非難されていただろう。

今の両陛下はお若いから大丈夫とでも思ったのか。