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バスの外観にデータ使い放題の「QRコード」 SNSに投稿OK? KDDIに聞いてみた

山口健太ITジャーナリスト
QRコード付きのオリジナルバスが走る(KDDIのプレスリリースより)

6月10日、KDDIが「povo2.0」のプロモコードを掲載したバスを走らせるという、面白いキャンペーンを発表しました。SNSに写真を投稿するとプロモコードを読み取られる可能性がありますが、問題ないのでしょうか。KDDIに聞いてみました。

SNSでの共有も「想定の範囲内」

このキャンペーンは、歌手のまふまふさんによる東京ドームでの有観客ライブと連動したもので、「povo」はこのライブをサポートしているとのことです。

ラッピングバスには、povo2.0の「データ使い放題(24時間)」のプロモコードをQRコードとして外観に掲載し、6月11日から東京都内を走行する予定です。

povo2.0は、KDDIによる「基本料0円」が特徴のオンライン専用ブランドです。auの料金プランとは異なり、音声やデータは必要に応じて有料で「トッピング」して使う方式です。

このpovo2.0のユーザーであれば、QRコードで読み取ったプロモコードを入力することでデータが24時間使い放題になります。コードの使用期限は6月20日23時まで。普通に購入すると税込330円の価値があります。

さらに、このバスを撮影し、ハッシュタグ「#まふバス」をつけてSNSに写真を投稿すると、抽選でバスに乗れるキャンペーンも実施しています。

ここで気になるのは、SNSに投稿した写真にQRコードが写っていると、第三者にプロモコードを読み取られてしまうのではないか、という点です。

そもそもこのバスは公道を走るため、キャンペーンの存在を知らない人が、意図せずQRコードのついた写真をSNSに上げてしまうことも考えられます。

こうしたケースを想定しているのか確認してみたところ、「想定の範囲内です。SNSなどに投稿いただいても問題ありません」(KDDI広報部)との回答でした。また、QRコードを家族や友人と共有することも問題ないとしています。

そのため、SNSに写真を投稿するにあたって、QRコードの部分にぼかしを入れたり、トリミングで加工をしたりする配慮は必要なさそうです。

また、このライブは後日オンラインでも配信されるものの、バスが走るのは東京都内のみとなっています。しかしSNSへの投稿がOKということは、地方のpovo2.0ユーザーにもプロモコードを入手できるチャンスがありそうです。

QRコードの優れた活用事例

KDDIによると、これまでSNSなどでpovo2.0のプロモコードを配布したことはあったものの、バスの壁面のように一般の人が見える場所で配布するのは初めての取り組みとのことです。

これはQRコードの優れた活用事例ともいえそうです。理論的にはバスの車体にURLを記載しても同じことができますが、それを見て入力するのはさすがに面倒でしょう。

最近のiPhoneやAndroidスマホなら、標準のカメラアプリでQRコードを読み取ることができます。カメラの性能も上がっているので、QRコードが十分に大きければ、バスに近づくことなく安全な距離から読み取ることができます。

任意のタイミングで音声やデータを追加できるpovo2.0と、街中で偶然出会えるラッピングバスの組み合わせも、なかなか相性が良いといえるのではないでしょうか。

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

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