■Yahoo!ニュース 個人、3月の「月間MVA(Most Valuable Article)」と「月間MVC(Most Valuable Comment)」が決定しました

社会の課題を伝えている・議論を喚起している・読者の心に響く……などの観点で選出している「月間MVA」。記事のアクセス数ではなく、目指す世界観「発見と言論が社会の課題を解決する」「文化の発展に寄与する」を体現している記事を、編集部を中心とした運営スタッフがアナログで選出しています。あわせて、Yahoo!ニュース 公式コメンテーターによるニュースへの理解が深まるコメントとして「月間MVC」も選出しました。厳選3本の記事と3本のコメントを、筆者の受賞コメントとあわせてご紹介します。

※※※

3月のMVA

「ウクライナ語を覚えたいと思ったの!」というロシア語話者 ことばから考えるロシアのウクライナ侵攻(伊藤めぐみ)

筆者による受賞コメント:ロシアによるウクライナ侵攻が始まった際、専門家等による重要な指摘や解説がされたと思います。その中で自分にできることは何かと考え、自分のぼんやりとした疑問を突きつめることで生まれたのがこのテーマでした。「ロシア語話者」は親露ではないか、という先入観から入りましたが、それが崩れていく過程で発見ができました。現地に新たにできた友人も記事を読んで「こういう感じ!」と感想を言ってくれた時にはほっとしました。(伊藤めぐみ

選出理由:この記事はウクライナ市民が話す「言語」に着目して書かれた現地ルポで、ロシア語を母語とするウクライナ市民への取材を通して、彼らの思いをすくいあげたものです。ウクライナ情勢を巡っては日々痛ましい被害が伝えられていますが、市民が話す言葉に着目したテーマは独自性が高く、読者に新しい視点と気づきを与えてくれる内容です。

※※※

4回目のワクチン接種の効果によって明らかになってきた、既存の新型コロナワクチンの有効性の限界(忽那賢志)

筆者による受賞コメント:ワクチンはこのパンデミックにおいて非常に貢献しました。重症化する人は大きく減り、人類にとっての新型コロナの脅威は後退しましたが、変異株の出現や時間経過に伴って感染そのものを防ぐことは難しくなってきました。イスラエルでの4回目のワクチン接種の結果により、世界のワクチン戦略が岐路に立たされていることになりました。おそらく今後は全ての人ではなく、高齢者など特定の集団に対する接種を進めていくことになるのではないかと思います。(忽那賢志

選出理由:国内でも新型コロナウイルスワクチンの3回目接種が進み、徐々に4回目接種の議論も視野に入ってきています。4回目接種で先行したイスラエルからの情報をまとめ、専門家の視点から最新の知見をスピーディに提供し、優れた筆力でユーザーの興味・関心に応えてくれた記事です。

※※※

ウクライナ侵略 消えたキエフの気象データが復活し、これから”泥将軍”がやってくる(森田正光)

筆者による受賞コメント:月間MVAに選出いただきありがとうございます。気象観測者にとって、観測を継続するというのは、とても大切な任務です。気象データが途絶えた時には、たいていそこに重大な障害が発生しています。1990年8月、イラクがクウェートに侵攻しました。これを受けて多国籍軍がいつ反撃に出るのかが当時、ニュースの焦点でした。その時も中東から観測が途絶え、私は気象状況から、年明けに進軍が始まるとして、テレビなどで発信しました。実際にその予測は当たって湾岸戦争が始まりましたが、上司からは"戦争をネタにするとはけしからん"と、大目玉をいただきました。これが、私が独立する動機にもなりましたが、今後も自分の中で過度な自己規制をかけず、意味のある情報を発信したいと考えています。(森田正光

選出理由:ロシアによるウクライナ侵攻の状況を、気象データの観点から分析した記事です。ウクライナの平均気温の観測データが各観測地点によって欠損したり再開したりしていることから、各地域への侵攻の深刻度がうかがい知れることなどを解説。過酷な状況下でも、使命感をもって観測を行い続けている気象関係者がいることにも胸をうたれます。気象予報士としての専門知識をもつ筆者だからこそ書ける、Yahoo!ニュース 個人ならではの1本です。

※※※

3月のMVC

『ブルース・ウィリスさん、引退発表 失語症と診断(AFP=時事)』の記事へのコメント(木村俊運)

筆者による受賞コメント:ダイ・ハードなどで自分自身も好きだったブルース・ウィリス氏が引退する、しかも失語症? 失語症は病名ではなく症状なので、臨床医としては「何の病気?」となりますが、とりあえずどのような状態か?回復するのか?(&復帰の可能性)などは、皆さん知りたいところかなと思いました。ついでに読んでもらえるのであれば、「『失語の原因となることが多い脳卒中』は時間が大事だよ」という情報は役に立つのではと考えました。またちょっとでも役に立つコメントを書きたいと思います。ありがとうございました。(木村俊運

選出理由:アメリカの俳優、ブルース・ウィリスさんが失語症で俳優業の引退を報じられた件に絡め、失語症について解説したコメントです。普段聞きなれない「失語症」とは? というニーズが高まるなか、症状やどういうケースで起こりやすいかなど、ユーザーが知りたい情報をわかりやすく、かつスピーディーに伝えてくれました。

※※※

『堺市教委がいじめ重大事案の報告書 事実関係ほぼ黒塗りで公表(毎日新聞)』の記事へのコメント(佐藤みのり)

筆者による受賞コメント:月間MVCに選出いただき、ありがとうございます。いじめ問題にかかわる一人として、「どうすれば再発防止につながるのか」といった視点を大切にコメントさせていただきました。今、この瞬間も、いじめによって苦しんでいる子どもはいます。いじめのせいで生きる希望を失ってしまったり、学校に長期間通えなくなったりすることは、とても悲しいことです。子ども達が安心して、自分らしく、学校生活を送れるようにするため、大人として何ができるのか、事案とかかわる中で真剣に考え、今後も情報発信していけたらと思います。(佐藤みのり

選出理由:堺市教育委員会が公表したいじめ調査報告書に関して、事実関係の大半が黒塗りだったことを伝える記事へのコメントです。調査報告書の役割や重要性について、被害者・加害者への不利益を考慮しながらわかりやすく解説。具体的な改善策についても言及しており、神奈川県いじめ防止対策調査会ほか、いじめ問題に関する第三者委員を複数務め、弁護士として活動する傍らで子どもの問題に積極的に取り組んでいる筆者の知見が光ります。

※※※

『【速報】ゼレンスキー大統領が日本の国会で演説「アジアで初めてロシアに対する圧力をかけ始めたのが日本。引き続き継続を」(FNNプライムオンライン)』の記事へのコメント(三牧聖子)

筆者による受賞コメント:大国ではない外国の政治家による演説が日本でこれほど関心を集めたのは異例のことではないでしょうか。歴史的なゼレンスキー大統領の演説に関するコメントでの受賞、大変嬉しく思います。なぜ軍事的には圧倒的に劣勢のウクライナがここまで善戦してきたのか。それは西側諸国の軍事援助や制裁に加え、世論をめぐる戦いで同大統領が圧倒的なパフォーマンスを発揮してきたからです。厳しいトーンだったドイツでの演説に対し、日本での演説は、日本への信頼を全面的に押し出すものとなりました。私たちはその信頼に応える責任があるのではないでしょうか。(三牧聖子

選出理由:ゼレンスキー大統領が日本の国会の演説で語ったことを伝える速報記事に対するコメントです。他国での演説との比較もまじえて、日本向けに考え抜かれた内容だと冷静に分析。演説内容をどう解釈すればいいのか、専門家の視点からいち早くコメントしてくれました。

※※※