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【Yahoo!ニュース 個人】10月の月間MVAとMVCが決定

(写真:アフロ)

■Yahoo!ニュース 個人、10月の「月間MVA(Most Valuable Article)」と「月間MVC(Most Valuable Comment)」が決定しました

社会の課題を伝えている・議論を喚起している・読者の心に響く……などの観点で選出している「月間MVA」。記事のアクセス数ではなく、目指す世界観「発見と言論が社会の課題を解決する」を体現している記事を、編集部を中心とした運営スタッフがアナログで選出しています。あわせて、すぐれたオーサーコメント「月間MVC」も選出しました。厳選5本の記事と1本のオーサーコメントを、筆者の受賞コメントとあわせてご紹介します。

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10月のMVA

台東区のホームレスの人の避難所受け入れ拒否問題を考える(大西連)

筆者による受賞コメント: このたびは、月間MVAに選出いただき、ありがとうございます。台東区の避難所でホームレスの人の受け入れが拒否されたことについて、当初SNSで真偽不明なまま拡散され炎上していたのですが、すぐさま台東区、現場にいた支援団体のメンバーに取材をし、できるだけ正確に文言も双方に確認しながら記事にしました。

 その後、国会で総理が「各避難所では避難したすべての被災者を適切に受け入れることが望ましい」と答弁するなど、政治的なアクションにもつながり、現場から発信することの意義を強く感じました。これからも現場の視点で書いていきたいと思います。

大西連

選出理由:台風19号の被害が大きくなるなかで、東京都台東区で起きたホームレスの人の避難所受け入れ拒否問題をスピーディに取り上げた記事。行政や一般社団法人への取材を通して、社会の中にあるホームレスの人への差別や排除を問題提起しています。生活困窮者の相談支援に長年携わってきた筆者ならではの、読み応えある1本です。

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ウーバーイーツユニオンが提起した社会的課題とは?  プラットフォーム型労働の法的問題を考える(今野晴貴)

筆者による受賞コメント: 最近、労働組合やストライキの「権利」の問題は広く関心を集めています。ウーバーに限らず、コンビニオーナーや自営業一般、そして増加中のフリーランサーたちの権利の問題です。その傾向は世界でも同じです。

 この記事では、ウーバーイーツユニオンの好例を通じて、「新しい労働問題」の実情を紹介すると同時に、この問題に対する「新しい労働運動」の必要性をも示したいと思いました。

今野晴貴

選出理由:ウーバーイーツの配達員らが10月に労働組合を創設。アプリを通じて飲食が出前される「ウーバーイーツ」という新しい仕組みを支える人たちの働き方にどのような問題点が潜んでいるかをつぶさに解説してくれました。

今後も増えてくるであろう「プラットフォーム型労働」の問題点を先取りして、問題を投げかける記事です。

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日本でも異例のヒットをみせる『ジョーカー』。その要因はどこにある?(斉藤博昭)

筆者による受賞コメント:多くの人がそうであったように、自分自身も『ジョーカー』が公開される前は、日本でここまでヒットするとは想像していませんでした。「なぜ、ヒットしたのか?」という純粋かつシンプルな疑問。その疑問と向き合って、このように評価していただけると、書くこと、伝えることの原点を改めて教えられた気がします。心より感謝いたします。

斉藤博昭

選出理由:映画『ジョーカー』が2週連続週末の映画興収ランキング1位を獲得したことを受けて、ヒットの要因を解説した記事です。筆者は読者ニーズが高まる話題を敏感に嗅ぎ取り、素早く伝えることに成功しました。

また、配給のワーナー・ブラザースに取材を行うなど、あらゆる観点から多角的に分析した内容に仕上げました。

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台風19号 知られざる新潟県の被害、津南町集落住民の水や泥との闘い(関口威人)

筆者による受賞コメント:月間MVAに選んでいただき、誠に光栄です。今回の台風19号は、その被災規模、範囲を見て、必ずマスメディアには出ない、取り残されているエリアがあると直感しました。ひと昔前なら、そうした地域を地方紙の担当記者やカメラマンがくまなく回って、取材できたでしょう。

 しかし、私も地方紙出身なので分かりますが、今はなかなかそうした態勢的余裕や、一人ひとりの記者の時間と自由度がありません。そして、例え地方メディアでカバーできても、それを全国の、その地方の状況を気にしている人たちにはなかなか届けられない。そんなジレンマを「個人」というフットワークと、ネットメディアの特性で乗り越えられる。そんなささやかな事例の一つとして手応えを感じました。まだまだ被災地の復興も道半ばです。今回の受賞を励みに、今後も地道な取材、執筆を続けて、社会のお役に立てればと思っています。

関口威人

選出理由:他の被災地よりも、報道量が圧倒的に少なかった新潟県津南町。筆者は長野市取材の翌日に町に入り、床上浸水した家屋や一部崩壊した県道、高齢化が進む町ならではの悩みを伝えました。どんなにアクセスが不便でも、被害を受けた市町村に足を運び、状況をしっかり伝えるという筆者の強い意志も感じられる記事です。

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3.8点問題と公正取引委員会の調査でも「食べログ」を批判するのが間違っている理由(東龍)

筆者による受賞コメント:この度はMVAに選出していただけて大変光栄です。今回の件に対して、ネットをはじめとした世論は批判一辺倒。事実と異なる思い込みや限定的な情報からの決めつけによって、全て悪という論調が展開されているように感じました。絶対的な味覚は存在しますが、絶対的な食の評価は存在しません。なぜならば、それぞれの人によって食体験は全く異なっており、嗜好や考え方が違うからです。飲食店を多角的に評価したり、利用者の食体験を高めたりするためにも、できるだけ多くの飲食店ガイドが存在していた方がよいと考えています。

東龍

選出理由:社会的関心を呼んだグルメサイト「食べログ」の点数操作の疑惑。しかし、現時点で不正は明らかになっていません。憶測による批判が先行するなか、点数算出のロジックから、ユーザーや飲食店のメリット、他のレストランガイドとの比較まで、丁寧に解説してくれました。グルメを愛し、事実に基づいて情報を発信するオーサーだからこその、冷静な議論を呼びかける内容です。

10月のMVC

『“細菌の種類”はトイレ以上? 冷蔵庫の「野菜室」は意外とケアが必要』の記事へのオーサーコメント(成田崇信)

筆者による受賞コメント:コメントが受賞ときき、大変うれしく思っています。冷蔵庫などキッチン内で雑菌が大繁殖といわれてしまうと食中毒など色々心配をしてしまいますが、私たちの生活環境には実は多種多様の微生物が存在していて、そのうちのいくつかが食中毒の原因になる危険なものです。

“細菌が繁殖している=危険”ではないということを知っていただければと思います。

成田崇信

選出理由: 家の中における“細菌の実態調査”の結果をもとにした記事に対し、「汚い、食中毒」というイメージを持たれがちな細菌が 必ずしもそうではないことをわかりやすく解説。冷蔵庫での食品保管において注意すべきポイントも具体的に提案された、付加価値の高いコメントです。

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