Yahoo!ニュース

能力があるのに怒りで人生を台無しにする子供達

碓井真史社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC
イラストはイメージ:優秀だからイライラし、イライラするから失敗する(提供:イメージマート)

■能力が高いからイライラする

イライラの感情は、自分の思い通りに事が進んでいない時に生まれる感情です。能力が高いからこそイライラすることがあります。

勉強でも、知能が高すぎるために不適応を起こす子供もいます。知能が低い子に支援が必要なように、知能が高い子にも支援が必要なのです。

ただ勉強の場合は、能力の高い子が怒りを爆発させるよりも、面白くないと感じて内にこもる場合も多いでしょう。

能力が高いために怒りを爆発させる典型は、少年スポーツチームなどで見られます。

■怒りとイライラでスポーツも途中でやめてしまう

たとえば、とても優れた運動能力を持っている小学生。スポーツチームに入って、大活躍します。ところが、学年が上がってくると、チームプレイが求められます。これができない子がいます。自分の能力の高さに自信を持っていますから、オレにパスを回せ、オレがシュートすると思うのです。

自分の思い通りにプレイできないと、すぐに怒ってしまう子もいます。

さらに、能力が高く高学年になれば、キャプテン的な役割も求められます。しかし、リーダー的役割など全くできない子もいます。人の上に立ちたい、目立ちたいとは思うのですが、下級生のためにとか、初心者のためにとは思えません。

こうして、怒り、イライラし、コーチとケンカしてスポーツチームを辞めてしまいます。自分が飛び出した後、自分より下手だと思っていた子が活躍し、キャプテンになったりすれば、それがまた悔しくて仕方ありません。

そんなふうになってしまうと。中学校に入っても、部活で活躍することもできません。チームに所属してがんばる意欲をなくすのです。そのような子たちは、体育実技の授業さえまともに参加しない子もいます。ふざけて、おちゃらけるのです。

それでも彼らの動きを見れば、その運動能力の高さに驚かされます。本当にもったいない、宝の持ち腐れ。なまじ能力が高かった故の悲劇、失敗です。

■子供たちに心の教育を

能力が高いだけでは、車の片側の車輪だけが回っているようなものです。高い能力を生かすためには、感情コントロールが必要です。

周囲の大人たちが、スポーツを技術を教えるだけではなく、心のあり方を教えなくてはなりません。まず大人たちが感情コントロールを学びましょう。何が怒りの爆発を生むのか、どうすれば冷静になって自分の能力を生かせるのか。子供と共に学んでいく必要があるでしょう(イライラと怒りを鎮める方法:自分でできる子供と大人の認知行動療法:人生を台無しにしないために:ヤフーニュース有料)。

社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC

1959年東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。新潟市スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「めざまし8」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ホンマでっか!?TV」「チコちゃんに叱られる!」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』等。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

心理学であなたをアシスト!:人間関係がもっと良くなるすてきな方法

税込550円/月初月無料投稿頻度:週1回程度(不定期)

心理学の知識と技術を知れば、あなたの人間関係はもっと良くなります。ただの気休めではなく、心理学の研究による効果的方法を、心理学博士がわかりやすくご案内します。社会を理解し、自分を理解し、人間関係の問題を解決しましょう。心理学で、あなたが幸福になるお手伝いを。そしてあなた自身も、誰かを助けられます。恋愛、家庭、学校、職場で。あなたは、もっと自由に、もっと楽しく、優しく強く生きていけるのですから。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

碓井真史の最近の記事