年が明けて1週間が過ぎました。新たなコロナ感染者は増え続け、8日には全国で8000人超という事態になっています。

思えば、年末年始のテレビは、大量のお笑い番組とドラマの一挙放送であふれていました。

しかし一方で、「コロナと社会」をめぐる、特筆すべき番組もあったのです。

昨年12月29日に放送された、NHKスペシャル『検証 コロナ予算77兆円』は、いま再注目すべき1本と言えるでしょう。

この番組、始めから終わりまで驚きの連続でした。

その最たるものが、2020年度に新型コロナウイルス感染拡大を受けて組まれた国の予算、いわゆる「コロナ予算」が77兆円だったことです。

恥ずかしながら、そこまで巨額だったとは知りませんでした。

また77兆円といえば、国民1人あたり約60万円になるのですが、そんな実感もなかったのです。

果たして、この予算はコロナ禍に苦しむ人たちに届いていたのか。番組は検証していきます。

77兆円の内訳は、中小企業支援に約26兆円。特別定額給付金などの生活・雇用支援に約15兆円。

さらに、医療機関支援やワクチンといった感染防止の約5兆円など。

そして、その内実を分析する手がかりが、各省庁が事業目的・効果・資金の経路などを公開した「行政事業レビューシート」です。

このデータを解析するのがAIでした。

たとえば、全国の自治体に配られた「地方創生臨時交付金」の4兆5千億円。

三重県御浜町では、投じられた約5億円でグラウンド整備専用のトラクター購入や農産物直売所のシャッター設置などが行われていました。

コロナ予算はコロナ対策だけでなく、ポストコロナ対策に使うことも可能だったのです。

国の見解、自治体の意見、住民の感想を聞く限り、互いのズレや違和感は否めません。

他にも「実質的な効果」が疑問視される事業が並んでいましたが、最も驚いたのは「特別定額給付金事業」のレビューシートが存在しないという事実です。

これでは、国民1人あたり10万円で予算13兆円という巨大事業について、正当な検証や評価は出来ません。

国がそれを嫌っている、と言われても仕方がないほどの不可解。

番組のおかげで、そんな実態も知ることができました。

コロナ感染対策として、国民が収めた税金が、適切に使われることに異議はありません。

しかし、番組は必ずしもそうなっていないことを明らかにしていました。

今年に入ってからの感染者増大に対しても、納得できる予算の使われ方が為されているのか。

メディアは独自の調査報道を展開して欲しいと思います。