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『ボス恋』で『天国と地獄』いじり? 奈未が潤之介に「入れ替わってる?」

碓井広義メディア文化評論家
(写真:アフロ)

奈未(上白石萌音)が夢見ていた「彼氏ができたら、やりたいこと」。突然、それを実現しようとする潤之介(玉森裕太)。いきなりの変化に思わず奈未が口にしたのは、あのドラマのプチいじりでした。

平均11%台の視聴率をキープし、好調のうちに終盤へと向かっている『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(TBS系)。

2日の第8話は、会社の合併吸収による雑誌「MIYAVI」存続の危機と、その逆転回避という波乱の展開でした。

もちろん、奈未(上白石萌音)と潤之介(玉森裕太)の恋も進展しています。

奈未の部屋で見つけたメモ用紙。そこには「彼氏ができたら……やりたい10のこと」が書かれていました。

「呼び捨てで呼ばれたい」

「自転車で2人乗り」

「さっきまで会ってたのに電話」

「夜中に長電話しながら寝落ち」

「家族に紹介されたい」

「マフラーを2人で巻く」等々。

本当は、中学時代の奈未が書いたものだったのですが、潤之介は知りません。現在の奈未の夢だと勝手に信じています。

カメラマンを辞めて故郷の金沢に戻り、家業を継ごうかと考えている潤之介。この奈未の願いを叶えようと頑張り始めます。

頭のどこかで、奈未が一緒に金沢へ来ることが難しい場合、「10の願い」を実現することが不可能になると思ったのかもしれません。いい奴だ。

潤之介は、かなりの猛スピードで「実行」していきます。

奈未にしてみれば、いきなりの変化に「あれ?」という感じもあって・・・

「どうしたんですか? 何かヘンですよ。だって自転車もそうですけど、いきなり呼び捨てとか」

そして、

「もしかして、誰かと中身、入れ替わってません?」

出た~!(笑)

「入れ替わり」とくれば、日曜劇場『天国と地獄~サイコな2人~』。

あちらも、謎のてんこ盛りが功を奏して、SNSなどでの考察が盛り上がっています。

局内ドラマのプチいじり。エールの交換みたいなものですね。互いに好調だからこそ出来る〝遊び〟です。

それにしても、もし潤之介が入れ替わっているとしたら、誰と? 

先輩の中沢さん(間宮祥太朗)じゃないだろうし、まさか幼なじみの健ちゃん(犬飼貴丈)?

いやいや、入れ替わったのが潤之介の「双子の兄」だったりしたら面白い。

次回で、そんな奈未の「妄想」が、白い子犬みたいにビジュアル化されないものだろうか。って、ないですよね。

メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。1981年テレビマンユニオンに参加。以後20年間、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶大助教授などを経て、2020年まで上智大学文学部新聞学科教授(メディア文化論)。著書『脚本力』(幻冬舎)、『少しぐらいの嘘は大目に―向田邦子の言葉』(新潮社)ほか。毎日新聞、日刊ゲンダイ等で放送時評やコラム、週刊新潮で書評の連載中。文化庁「芸術祭賞」審査委員(22年度)、「芸術選奨」選考審査員(18年度~20年度)。

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