Yahoo!ニュース

チームにシーズン初勝利をもたらすノーヒッターは4人目。23年前の野茂英雄もその一人

宇根夏樹ベースボール・ライター
ヤイナー・ディアズ(左)とロネル・ブランコ Apr 1, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月1日、ロネル・ブランコ(ヒューストン・アストロズ)は、トロント・ブルージェイズの延べ29人に対して投げ、最初の打者と28人目の打者、どちらもジョージ・スプリンガーを四球で歩かせただけで、あとの27人をアウトに仕留めた。

 アストロズは、この日がシーズン5試合目。その前の4試合は、いずれもニューヨーク・ヤンキースに敗れていた。イライアス・スポーツ・ビューローによると、ノーヒッター=チームのシーズン初勝利は、史上4度目だという。

 ボブ・フェラーは、1940年4月16日に、クリーブランド・インディアンズの開幕投手としてノーヒッターを達成した。1972年4月16日のバート・フートンは、シカゴ・カブスの開幕2試合目。2001年4月4日の野茂英雄は、ボストン・レッドソックスの開幕2試合目だ。

野茂英雄(中央)APRIL 4, 2001
野茂英雄(中央)APRIL 4, 2001写真:ロイター/アフロ

 23年前、レッドソックスの開幕投手は、ペドロ・マルティネスが務めた。ペドロは7イニングを投げて1失点ながら、ボルティモア・オリオールズのパット・ヘンゲンも8.2イニングで1失点。レッドソックスは、11回裏にサヨナラ負けを喫した。

 ペドロに続き、開幕2試合目に登板した野茂は、レッドソックス1年目。当然ながら、公式戦でジェイソン・バリテックとバッテリーを組むのは、この試合が初めてだった。野茂のノーヒッターは2度目。1度目は、ロサンゼルス・ドジャース時代の1996年9月17日だ。この時の捕手は、マイク・ピアッツァだった。

 バリテックは、4度のノーヒッターでマスクをかぶった。バッテリーを組んだ投手は、1度目が野茂、2度目がデレク・ロウ(2002年4月27日)、3度目がクレイ・バックホルツ(2007年9月1日)、4度目はジョン・レスター(2008年5月19日)だ。

 今回のブランコは、開幕からのチームの連敗をノーヒッターで止めた史上初の投手、という見方もできる。また、エイプリル・フールのノーヒッターも、過去にはなかった。

 ブランコの球を受けたのは、ヤイナー・ディアズだ。1回裏と7回裏にホームランを打った。1試合2本塁打は2度目だが、ノーヒッターの捕手となるのは初。昨年8月1日にフランバー・バルデスが達成した試合は、マーティン・マルドナード(現シカゴ・ホワイトソックス)がマスクをかぶり、ディアズはDHとして出場した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事