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パドレスはこの外野手を手に入れる!? 韓国の開幕シリーズには間に合わないが、選択の余地なし!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
トミー・ファム Aug 17, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 サンディエゴ・パドレスのマイク・シールト監督は、韓国のチームと対戦した2試合とも、外野に同じ3人を並べた。ポジションも変わらず。レフトがジャリクソン・プロファー、センターがジャクソン・メリル、ライトはフェルナンド・タティースJr.だ。彼ら以外には、ホゼ・アゾーカータイラー・ウェイドを途中から起用し、外野を守らせた。

 外野手が5人いれば、人数としては問題ない。ただ、過去3シーズンのうち、プロファーのOPSが.700を上回ったのは、2022年だけ。それも.723に過ぎない。アゾーカーとウェイドは、どのシーズンもOPS.700未満。しかも、ウェイドは、外野も守るものの、基本的には内野手だ。

 また、メリルは、トップ・プロスペクトとはいえ、まだメジャーデビューしておらず、外野手としての経験も少ない。2021年のドラフトで全体27位指名を受けて入団し、昨年の夏までは遊撃を守っていた。

 来月、メリルは、21歳の誕生日を迎える。USAトゥデイのボブ・ナイテンゲールによると、開幕戦にセンターとして先発出場すれば――おそらく、そうなるだろう――21歳未満の選手では、ケン・グリフィーJr.アンドルー・ジョーンズに続き、ここ50年間で3人目だという。

 他には、ウェイドと同じくマイナーリーグ契約のティム・ロカストロオスカー・メルカドに、昨秋のアリゾナ・フォール・リーグでMVPを受賞したジェイコブ・マーシーらもいるものの、ポストシーズン進出をめざすチームとしては、外野の層があまりにも薄い。

 こちらもナイテンゲールによると、パドレスは、FAのトミー・ファムと交渉を行っていて、1年300万ドルから400万ドル程度の契約で合意に近づいているという。昨年、ファムは、ニューヨーク・メッツとアリゾナ・ダイヤモンドバックスで計129試合に出場し、OPS.774を記録した。

 ファムは、2020~21年にパドレスでプレーしている。シールト監督とは、セントルイス・カーディナルスで、選手とコーチ、選手と監督という間柄だった。

 パドレスに、ファムと同水準の選択肢は、残っていないように思える。今月中旬、ファムと同じ外野手のアダム・デュボールマイケル・A・テイラーは、それぞれ、アトランタ・ブレーブスとピッツバーグ・パイレーツに入団した。ちなみに、彼らの契約は、デュボールが1年300万ドル、テイラーは1年400万ドルだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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