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エンジェルスに加わった5人のここまで。最も高額な契約を得た投手は早くも誤算の可能性あり!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ロバート・スティーブンソン(ロサンゼルス・エンジェルス)Feb 21, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今オフ、ロサンゼルス・エンジェルスがFA市場に出ていた選手と交わした契約を、金額の高い順に5つ並べると、ロバート・スティーブンソンと3年3300万ドル、マット・ムーアと1年900万ドル、ルイス・ガルシアと1年425万ドル、ホゼ・シスネロと1年175万ドル、アダム・シンバーと1年165万ドルとなる。

 彼らは、5人ともリリーフ投手だ。ムーアは、1年前に1年755万ドルの契約でエンジェルスに入団し、シーズン終盤にエンジェルス→クリーブランド・ガーディアンズ→マイアミ・マーリンズと動いた後、エンジェルスに戻ってきた。

 予定どおりにいけば、エンジェルスのブルペンは、ムーアを含め、新たに加わった投手が過半数を占める。

 今春、その5人中3人は、5試合ずつに登板している。ムーアとシンバーは無失点、シスネロは4.1イニングで1失点だ。4登板のガルシアも、1点しか取られていない。

 ただ、スティーブンソンは、まだ一度も登板していない。オレンジ・カウンティ・レジスターのジェフ・フレッチャーによると、ロン・ワシントン監督は、肩の具合が思わしくなく、開幕には間に合わないかもしれない、と語っているという。

 契約の金額からも窺えるとおり、スティーブンソンは、ムーアとともに、クローザーのカルロス・エステベスにつなぐセットアッパーとして期待されているはずだ。多少の出遅れならともかく、長期離脱となると、エンジェルスにとってマイナスは小さくない。

 ちなみに、昨年は肘を痛め、開幕前の登板は、3月21日と24日の2度だった。さらに、AAAで4試合に登板し、4月半ばにメジャーリーグ8年目をスタートさせた。

 シーズン・スタッツは、60登板の52.1イニングで奪三振率13.24と与四球率2.75、防御率3.10。ピッツバーグ・パイレーツとタンパベイ・レイズで投げ、移籍前の18登板は14.0イニングで奪三振率10.93と与四球率5.14、防御率5.14ながら、移籍後は42登板の38.1イニングで奪三振率14.09と与四球率1.88、防御率2.35を記録した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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