エンジェルスはこのDHを手に入れるべきなのか。昨年は33本塁打。通算本塁打は300本以上
ロサンゼルス・エンジェルスは、現在も、FAのブレイク・スネルとJ.D.マルティネスに興味を抱いているらしい。エンジェルスだけではないようだが、ニューヨーク・ポストのジョン・ヘイマンが、そう報じている。
昨年まで、エンジェルスには、大谷翔平がいた。今オフ、FAとなった大谷は、ロサンゼルス・ドジャースに入団した。
昨年、エンジェルスで先発10登板以上の5人――いずれも先発20登板以上――のなかで、防御率4.10を下回ったのは、3.14の大谷だけだ。大谷は、DHとしても出場し、44本のホームランを打って本塁打王を獲得した。エンジェルスで30本塁打以上は、他に皆無。200打席以上の12人中、出塁率.340以上を記録したのは、.412の大谷と.367のマイク・トラウトしかいなかった。
スネルは、昨年のサイ・ヤング賞投手だ。J.D.は、33本のホームランを打った。どちらも、ブレイクしたばかりの選手ではない。スネルのサイ・ヤング賞は2度目。J.D.の通算本塁打は315本を数え、40本塁打以上のシーズンも2度ある。それぞれ、大谷に代わるエースとDHとして、適任のようにも見える。
ただ、スネルはともかく、J.D.を加えることには疑問の余地がある。もともと、J.D.は外野手だったが、2018年からはDHをメインとしている。過去6シーズンの先発出場は、DHが610試合、レフトとライトは計136試合。過去2シーズンは、250試合中249試合がDHだ。年齢も、36歳と若くない。
内野の左から右に、アンソニー・レンドーン、ザック・ネト、ルイス・レンヒーフォ、ノーラン・シャヌエルが並ぶと、ブランドン・ドゥルーリーが守るポジションはなくなる。ドゥルーリーは、過去2シーズンとも25本以上のホームランを打っていて、このスパンの54本塁打はJ.D.より5本多い。ドゥルーリーは18.6打数/本、J.D.は19.7打数/本だ。
また、トラウトとレンドーンは、過去3シーズンとも、怪我に見舞われている。2021~23年にエンジェルスが行った486試合のうち、トラウトの出場は237試合(48.8%)、レンドーンは148試合(30.5%)だ。2人とも、半数以上の試合に欠場している。
DHを固定せず、入れ替わりに起用することで、ドゥルーリーの打席数を確保し、トラウトとレンドーンの健康維持を図ることができるのではないだろうか。
この3人に限らず、DHのローテーションには、アーロン・ヒックスやジョー・アデル、マイナーリーグ契約のミゲル・サノーらを含めてもいいだろう。
さらに、ローガン・オホッピーではなくマット・タイスがマスクをかぶる試合は、オホッピーをDHとして起用するのも一策だ。昨年、オホッピーは、51試合で14本のホームランを打った。サンプル数は多くないものの、13.0打数/本のペースは、エンジェルスでは大谷の11.3打数/本に次ぎ、トラウトの17.1打数/本やドゥルーリーの18.7打数/本を上回った。