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オドーアの「元・相棒」はDバックスとマイナーリーグ契約。遊撃出場2000試合まであと34試合

宇根夏樹ベースボール・ライター
エルビス・アンドゥルース(左)とルーグネッド・オドーア Sep 25, 201(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 3月3日、エルビス・アンドゥルースは、アリゾナ・ダイヤモンドバックスとマイナーリーグ契約を交わした。ノン・ロースター・インバイティ(キャンプ招待選手)として、スプリング・トレーニングに参加する。

 アンドゥルースは、現役選手のなかでは、誰よりも多く、遊撃を守っている。2009年のメジャーデビュー以来、3チームでプレーしてきて、遊撃以外の守備についたのは、二塁と三塁も守った昨年が初。遊撃手として、出場1966試合、先発出場1928試合、1万7010.0イニングを記録している。

 2番目に多いのは、ブランドン・クロフォード(セントルイス・カーディナルス)の出場1617試合、先発出場1528試合、1万3597.2イニングだ。こちらは、アンドゥルースの2年後にメジャーデビューし、昨年までサンフランシスコ・ジャイアンツ一筋。昨年の1登板を除くと、遊撃以外の出場はない。今オフの移籍については、こちらで書いた。

「ジャイアンツ一筋の37歳が新天地へ。遊撃しか守ったことのないベテランが求められている役割は…」

 アンドゥルースは、ルーグネッド・オドーア(読売ジャイアンツ)の「元・相棒」でもある。オドーアは、2014年から2020年まで、テキサス・レンジャーズでプレーした。この7シーズンにレンジャーズが行ったレギュラーシーズンの1032試合中710試合(68.8%)は、オドーアとアンドゥルースが、二塁手と遊撃手の「併殺デュオ」としてスターティング・ラインナップに名を連ねた。オドーアの先発出場は、レンジャーズ時代以外も含め、二塁が1006試合、三塁が34試合、ライトが7試合に、DHが16試合だ。

 ダイヤモンドバックスにおける、アンドゥルースの「ライバル」は、こちらもマイナーリーグ契約のケビン・ニューマンだと思われる。エマニュエル・リベラのポジションは内野両コーナー、ジェイス・ピーターソンは遊撃以外の内野と外野両コーナーなので、レギュラーの遊撃手であるヘラルド・ペルドモのバックアップには適していない。ピーターソンは、遊撃とセンターの経験も皆無ではないものの、どちらも通算10試合に満たず、レパートリーに含めるには少なすぎる。

 他には、若手のジョーダン・ロウラーブレイズ・アレクザンダーもいるが、メジャーリーグでは出場機会が限られることを考慮し、ダイヤモンドバックスは、彼らをマイナーリーグでプレーさせる――控えの遊撃手としてアンドゥルースかニューマンがいる限りは――ような気がする。

 あと34試合で遊撃の守備につくと、アンドゥルースの遊撃出場は2000試合となる。このマイルストーンに到達した選手は、20人に満たない。ちなみに、最多は、オマー・ビスケルの2709試合だ。デレク・ジーターの2674試合が、それに次ぐ。

 2021年以降、アンドゥルースの遊撃出場は、143試合→143試合→52試合と推移している。昨年より18試合少なくても、今年中にたどり着ける。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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