打者11人中3人にぶつける。復調の道は険しい!? 一昨年はエース級の投球も昨年は制球が定まらず
2月27日、アレック・マノーア(トロント・ブルージェイズ)は、先発マウンドに上がり、デトロイト・タイガースを相手に1.2イニングを投げた。
二塁打2本を含む被安打3本もさることながら、それ以上に目についたのは、与死球の多さだ。先頭打者のライリー・グリーンにヒットを打たれた後、2人目のスペンサー・トーケルソンと3人目のマーク・キャナに続けてぶつけ、さらに、2回裏の先頭打者だったカーソン・ケリーにも当てた。
10人目のグリーンを歩かせ、11人目のトーケルソンに二塁打を打たれたところで、マウンドを降りた。
マノーアは、2019年のドラフト全体11位だ。2021年は、5月にメジャーデビューし、111.2イニングで防御率3.22を記録した。翌シーズンは、開幕からローテーションに入り、196.2イニングでリーグ3位の防御率2.24。サイ・ヤング賞の投票でも、ジャスティン・バーランダー(ヒューストン・アストロズ)とディラン・シース(シカゴ・ホワイトソックス)に次ぐ、3位にランクインした。
ちなみに、マノーアのすぐ下に位置したのは、大谷翔平(当時ロサンゼルス・エンジェルス/現ロサンゼルス・ドジャース)だった。1位から4位まで、防御率とまったく同じ順序で4人が並んだ。
ところが、メジャーリーグ3年目の2023年は、87.1イニングで防御率5.87。6月と8月にマイナーリーグへ送られ、2度目の降格後は、マイナーリーグでも登板することなく、シーズンを終えた。おそらく、何らかの修正あるいは調整を試みていたのだろう。各シーズンの与四球率は、3.22→2.33→6.08と推移している。
もっとも、マノーアの与死球は、これまでも少なくなかった。2021年が16、2022年が15、2023年は9。最初の2シーズンは、どちらもリーグ最多だ。
与死球よりも、問題は、制球そのものにありそうな気がする。今回の登板で、それぞれの打者に対して投げた初球は、11球中7球がボール。あとの4球中2球も、スタットキャストによると、ゾーンを外れていた。打者がスウィングしなければ、ボールと判定されていた可能性が高い2球を除くと、ストライクは11球中2球しかなかった。
ローテーションの4枠は、ケビン・ゴーズマン、ホゼ・ベリオス、クリス・バシット、菊池雄星で確定している。最後の1枠にマノーアが入らない場合、筆頭候補はジャリエル・ロドリゲスだ。