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大谷翔平が今春初打席で対戦予定の投手は、次代のエース候補。クリス・セールと同じ道を歩んできて…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ギャレット・クローシェイ(シカゴ・ホワイトソックス)May 28, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 2月27日、大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)は、今春最初のエキシビション・ゲームに出場する。この試合は、日本時間の2月28日、午前5時5分に始まる。

 予定どおりであれば、大谷は、1打席目にギャレット・クローシェイ(シカゴ・ホワイトソックス)と対戦する。

 クローシェイは、2020年にメジャーデビューした。トミー・ジョン手術を受けて全休した2022年を挟み、これまで、メジャーリーグで計72試合に登板している。いずれも、ブルペンからマウンドに上がった。大谷とは、2021年の4月と9月に対戦し、2打席とも空振り三振に仕留めている。

 今年から、クローシェイは、先発投手として投げる予定だ。マイナーリーグでも、先発登板は未経験だが、テネシー大では、先発とリリーフの両方を務めていた。

 ホワイトソックスでリリーフから先発に回り、エースとなった投手と言えば、クリス・セール(現アトランタ・ブレーブス)が思い浮かぶ。セールは、2010~11年にリリーバーとして79試合に登板した後、2012年からローテーションに加わった。

 そこからの6シーズンは、トレードで移籍してボストン・レッドソックスで投げた2017年を含め、いずれも170イニング以上を投げ、防御率3.45未満を記録した。2012~17年の計1230.0イニングは、このスパンで4番目に多く、防御率3.01は、600イニング以上の120人のなかで6番目に低かった。奪三振率10.54と与四球率1.95は、それぞれ、3位と12位に位置する。

 セールとクローシェイは、どちらも左投手だ。ドラフト順位は、セールが2010年の全体13位。クローシェイは2020年の全体11位。プロ1年目のメジャーデビューも、彼らは同じ。6フィート6インチの身長に、スライダーとチェンジアップの変化球2種も、共通する。当然ながら、クローシェイは、セールと比較されてきた。

 今年の開幕ローテーション入りは確定していないが、ブルペンで開幕を迎えたとしても、シーズン途中の配置転換はあり得る。現在のエース、ディラン・シースが今夏のトレードでホワイトソックスを去る可能性は、決して低くない。

 ちなみに、クローシェイが大谷から三振を奪った球種は、スタットキャストによると、どちらもスライダーだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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