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センターと一塁を守るベリンジャーの再契約とほぼ同時に、この一塁手はカブスに加わる。間が悪かった!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ギャレット・クーパー Aug 14, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 2月25日、コディ・ベリンジャーギャレット・クーパーは、どちらも、シカゴ・カブスと契約の合意に達したことが報じられた。

 ベリンジャーの再契約については、「選手には失意の3年8000万ドル!? この契約はオプト・アウトが2度。球団は行使されても問題ないのか」で書いた。クーパーは、マイアミ・ヘラルドのクレイグ・ミシュによると、ノン・ロースター・インバイティ(キャンプ招待)つきのマイナーリーグ契約だという。

 ベリンジャーは、センターと一塁を守る。クーパーは、外野両翼の経験もあるが、過去2シーズンは、マイアミ・マーリンズとサンディエゴ・パドレスのどちらでも、一塁以外の守備にはついていない。

 ベリンジャーのシーズン25本塁打以上は、4度を数える。2017~19年の39本と25本と47本に、2023年の26本だ。昨年、クーパーは、シーズン本塁打の自己最多を更新したものの、それでも、20本には届いていない。シーズン二桁本塁打は、2019年の15本と2023年の17本だ。2019年と2022~23年の3シーズンは、100試合以上に出場している。

 ただ、ベリンジャーがカブスに戻るとわかっていても――そういう情報を得ていたのかどうかは不明だが――クーパーは、カブスと契約を交わしていたのではないだろうか。

 昨年、ベリンジャーの先発出場は、センターが81試合と一塁が44試合(とDHが3試合)だった。現時点における、一塁手の筆頭候補は、マイケル・ブッシュだろう。1月にロサンゼルス・ドジャースから移籍したブッシュは、2019年のドラフト全体31位だが、まだブレイクはしていない。メジャーリーグでプレーしたのは、昨年の27試合だけ。そのスタッツは、打率.167と出塁率.247、2本塁打に過ぎない。

 ベリンジャーとブッシュが左打者であるのに対し、クーパーは右打者だ。ブッシュとのプラトーン要員や対左の代打として、開幕ロースターに入ってもおかしくない。つけ加えると、クーパーの前にマイナーリーグ契約でカブスに加わった、こちらも一塁手のドミニク・スミスは、左打者だ。

 なお、カブスのDHは、確定していない。昨年、DHの先発出場は、クリストファー・モレルの59試合が最も多く、あとの9人は20試合以下だった。今年、モレルは、三塁手としての起用が予定されている。

 もっとも、こちらの候補には、右打者のパトリック・ウィズダムがいる。ウィズダムは、過去3シーズンとも20本塁打以上。平均112.3試合の出場で、平均25.3本のホームランを打っている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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