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村上頌樹の最優秀防御率&新人王は13人目。これまでの12人中2人はその翌年も防御率1位

宇根夏樹ベースボール・ライター
上原浩治 AUG 21, 2004(写真:アフロスポーツ)

 昨年、村上頌樹(阪神タイガース)は、セ・リーグ1位の防御率1.75を記録し、MVPと新人王を受賞した。このダブル受賞は、1980年の木田勇と1990年の野茂英雄に続く3人目。それぞれのシーズンに木田と野茂が記録した防御率も――こちらの2人はパ・リーグだが――村上と同じく、リーグ1位だった。

 最優秀防御率&新人王は、彼らを含め、13人を数える。木田が10人目、野茂が11人目、村上は13人目だ。野茂と村上の間の12人目は、1999年の上原浩治なので、今世紀に入ってからは村上が初、ということになる。

 これまでの12人中9人は、最優秀防御率&新人王の翌シーズンも、規定投球回に到達している。なかでも、稲尾和久安田猛の2人は、最優秀防御率のタイトルを続けて獲得した。

筆者作成
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 稲尾の場合、1956年から1958年まで、3シーズン連続の防御率1位だ。それぞれの防御率は、1956年が1.06、1957年が1.37、1958年は1.42。この3シーズンに続き、1959年に記録した防御率1.65も、杉浦忠の防御率1.40に次ぎ、パ・リーグで2番目に低かった。稲尾のシーズン防御率1点台は、この他に2度。1961年の防御率1.69と1966年の防御率1.79は、どちらもパ・リーグ1位に位置した。

 一方、最優秀防御率&新人王の翌シーズンに規定投球回未満の3人と木田は、防御率が1点以上悪化した。ただ、この4人のうち、佐藤道郎と上原は、その後、2度目となる最優秀防御率のタイトルを獲得している。佐藤は、1974年にパ・リーグ1位の防御率1.91。上原は、2004年にセ・リーグ1位の防御率2.60を記録した。

 ちなみに、上原は、ボストン・レッドソックス時代の2013年に、リリーフ73登板の74.1イニングで防御率1.09を記録している。この防御率は、タイトルではないものの、このシーズンにア・リーグかナ・リーグ、あるいは両リーグ合わせて40イニング以上を投げた369人のなかで、最も低かった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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