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各チーム最後の20勝投手と、最後から2番目の20勝投手。ここ2年続けて違う投手が20勝以上のチームも

宇根夏樹ベースボール・ライター
ドントレル・ウィリス Aug 17, 2005(写真:ロイター/アフロ)

 昨年、スペンサー・ストライダー(アトランタ・ブレーブス)は、20勝を挙げた。一昨年、カイル・ライト(当時ブレーブス/現カンザスシティ・ロイヤルズ)は、21勝を記録した。

 ここ2シーズンの20勝投手は、彼らだけだ。他には、20勝にリーチをかけた投手もいない。現時点において、ストライダーとライトは、ブレーブスだけでなく、メジャーリーグ最後の20勝投手と最後から2番目の20勝投手、ということになる。

 各チーム最後と最後から2番目の20勝投手は、以下のとおり。

筆者作成
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 防御率からも窺えるとおり、素晴らしい投球をした投手が20勝に到達しているとは限らない。とはいえ、このなかで先発30登板未満は、ロサンゼルス・ドジャースの最後から2番目、10年前に27登板で21勝のクレイトン・カーショウ(現FA)しかいない。

 セントルイス・カーディナルスとシアトル・マリナーズは、最後と最後から2番目の20勝以上が同じ投手だ。カーディナルスの最後から3番目は、2005年に21勝のクリス・カーペンター。マリナーズでは、1997年にランディ・ジョンソンが20勝を挙げ、マリナーズ史上初の20勝投手となった。

 オークランド・アスレティックスの20勝投手は、最後が2002年に23勝のバリー・ジート、最後から2番目が2001年に21勝のマーク・マルダー、最後から3番目は2000年に20勝のティム・ハドソンだ。この3人は、後に「マネー・ボール」として知られるようになる時期に「ビッグ3」と称されていたが、「マネー・ボール」の著作と映画では、存在していなかったかのように扱われている。

 マックス・シャーザー(現テキサス・レンジャーズ)は、デトロイト・タイガースとワシントン・ナショナルズのどちらでも、最後の20勝投手だ。ロイ・ハラデイは、トロント・ブルージェイズの最後から2番目(と3番目。2003年に22勝)とフィラデルフィア・フィリーズの最後。ジャスティン・バーランダー(現ヒューストン・アストロズ)も、タイガースの最後から2番目とアストロズの最後に名を連ねている。2019年にアストロズで21勝のバーランダーと20勝のゲリット・コール(現ニューヨーク・ヤンキース)は、メジャーリーグ最後の20勝デュオだ。

 マイアミ・マーリンズの20勝投手は、今のところ、フロリダ・マーリンズ時代の2005年に22勝のドントレル・ウィリスが最初で最後。1シーズンの白星が次いで多いのは、2004年に18勝のカール・パバーノだ。コロラド・ロッキーズは、20勝投手が皆無。2010年に19勝のウバルド・ヒメネスが最も多い。この年、ヒメネスは、9月半ばに19勝目を挙げたが、その後の3登板は、黒星、黒星、勝敗つかず。最後の2登板は7イニング2失点と8イニング無失点ながら、ロッキーズは2試合で計1点しか挙げられなかった。

 日本プロ野球の各球団最後と最後から2番目の15勝投手については、こちらで書いた。

「各球団最後の15勝投手と、最後から2番目の15勝投手。オリックスは山本と山本、横浜DeNAは東と…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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