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上沢直之はレイズのローテーションに入れるのか。グラスナウはドジャースへ移り、マクラナハンは全休

宇根夏樹ベースボール・ライター
タンパベイ・レイズの本拠地、トロピカーナ・フィールド Mar 30, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 1月11日、タンパベイ・レイズは、上沢直之とマイナーリーグ契約を交わしたことを発表した。上沢は、ノンロースター・インバイティ(キャンプ招待選手)として、メジャーリーグ・レベルのスプリング・トレーニングに参加する。

 昨年、レイズは、リーグ4位の先発防御率を記録した。だが、先発20登板以上の4人中2人は、今年のローテーションには並ばない。115.0イニングを投げて防御率3.29のシェーン・マクラナハンは、8月下旬にトミー・ジョン手術を受けた。120.0イニングで防御率3.53のタイラー・グラスナウは、12月のトレードにより、ロサンゼルス・ドジャースへ移籍した。

 それだけでなく、2022年に好投したドルー・ラスマッセンジェフリー・スプリングスは、2023年のシーズン序盤に肘を痛め、こちらも手術を受けている。復帰は、オールスター・ブレイク前後になりそうだ。

 開幕ローテーションの候補は、ザック・エフリンアーロン・シバーレザック・ラテル、グラスナウと入れ替わりに加入したライアン・ペピオタージ・ブラッドリーシェーン・バズ、上沢といったところだろう。もしかすると、メジャーデビュー前のメイソン・モンゴメリーも、ノンロースター・インバイティとして候補に加わるかもしれない。

筆者作成
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 彼らのうち、エフリン以外は、メジャーリーグで1シーズンに125イニング以上を投げたことがない。エフリン、シバーレ、ラテルがローテーションの3枠を占めても、あと2枠が残る。バズは、エースとなり得る資質を備えているが、2022年9月にトミー・ジョン手術を受け、2023年は全休した。

 資金の乏しいレイズが、ここから、実績のあるFAの先発投手を手に入れるとは考えにくい。開幕前の投球次第とはいえ、上沢がローテーションに入るチャンスは低くなさそうに見える。

 ただ、ライバルは、増えるかもしれない。ジ・アスレティックのケン・ローゼンタールは、レイズがDHのハロルド・ラミレスをトレードで放出する可能性を報じている。その交換要員として、開花前の先発投手が加わることもあり得る。また、ローテーションが確定していないことからすると、どこからもメジャーリーグ契約を得られなかったベテランの先発投手が、マイナーリーグ契約でレイズに入団しても、おかしくはない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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