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日韓のクローザー、松井裕樹と高佑錫がパドレスに揃う。日本人投手と韓国人投手のシーズン最多セーブは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
高佑錫 August 7, 2021(写真:ロイター/アフロ)

 今オフ、松井裕樹高佑錫(コ・ウソク)は、サンディエゴ・パドレスに入団した。それぞれの契約は、5年2800万ドル(2024~28年)と2年450万ドル(2024~25年)だ。

 2人とも、これまで、クローザーとして投げてきた。松井は、日本プロ野球の東北楽天ゴールデンイーグルスで通算236セーブ。高は、韓国プロ野球のLGツインズで通算139セーブを記録している。シーズン最多は、松井が2023年の39セーブ、高は2022年の42セーブだ。

 2023年にパドレスで33セーブを挙げたジョシュ・ヘイダーは、現在、FA市場に出ている。パドレスがヘイダーと再契約を交わす可能性は、まずない。ヘイダーについては、こちらで書いた。

「リリーバーの契約総額ランキング。ヘイダーが1億ドル以上の契約を手にすれば、リリーフ投手史上2人目」

 ヘイダーの後任は、今のところ、ロベルト・スアレスが筆頭候補だろう。ただ、スアレスは、2020~21年に阪神タイガースで67セーブ(と8ホールド)――2020年が25セーブ(と8ホールド)、2021年は42セーブ――を挙げているものの、メジャーリーグでクローザーを務めた経験はない。過去2シーズンとも、セットアッパーとして投げてきた。

 メジャーリーグ1年目の2022年は、45登板の47.2イニングで奪三振率11.52と与四球率3.97、防御率2.27、11ホールドと1セーブ。2023年は、後半のみの26登板――投球前に退場の8月23日は含めず――で27.2イニングを投げ、奪三振率7.81と与四球率3.25、防御率4.23、8ホールドだ。ちなみに、阪神の前に在籍した福岡ソフトバンク・ホークスでは、2016年と2018~19年に1セーブと29ホールドを記録した。

 スアレスの投球と健康状態によっては、松井や高がクローザーを務めるかもしれない。シーズンの途中からに限らず、開幕前にそうなる可能性も皆無ではない。

 メジャーリーグで1シーズンに20セーブ以上を挙げた日本人投手と韓国人投手は、以下のとおり。

筆者作成
筆者作成

 佐々木主浩は、2000~02年に3シーズン続けて35セーブ35セーブ以上を挙げた。上原浩治は、2013~15年に3シーズン連続20セーブ以上だ。斎藤隆は、2006~07年に20セーブ以上を2シーズン続けた後、2008年は18セーブ。夏に右肘を痛めて2ヵ月離脱し、20セーブには届かなかった。この年は、45登板の47.0イニングで奪三振率11.49と与四球率3.06、防御率2.49を記録した。

 金炳賢(キム・ビョンヒョン)と呉昇桓(オ・スンファン)は、どちらも、20セーブ以上の前年に19セーブを挙げている。

 なお、日本人投手と韓国人投手が、同じシーズンに同じチームでそれぞれ10セーブ以上を挙げたことはない――メジャーリーグ通算3セーブ以上の韓国人投手は金と呉の2人だけ――が、2003年のシアトル・マリナーズでは、佐々木と長谷川滋利が10セーブと16セーブを記録している。6月初旬に佐々木が右脇腹を痛め、その後、ジェフ・ネルソンアーサー・ローズも締めくくりに起用されたが、7月以降は長谷川がクローザーに定着した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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