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通算299本塁打のMVPが再契約。「移籍を挟み、同じチームで1本目と300本目」の何人目になるのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
アンドルー・マッカッチェン(ピッツバーグ・パイレーツ)Jun 5, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 来シーズンも、アンドルー・マッカッチェンは、ピッツバーグ・パイレーツでプレーするようだ。ピッツバーグ・ポスト-ガゼッタのジェイソン・マッケイは、1年500万ドルで再契約、と報じている。マッカッチェンも、インスタグラムに「ウルフ・オブ・ウォールストリート」の映像をアップし、レオナルド・ディカプリオを自身に見立てて、パイレーツに戻ることを示している。

 来シーズンは、メジャーリーグ16年目となる。これまでの15シーズン中10シーズン、最初の9シーズン(2009~17年)と直近の1シーズン(2023年)は、パイレーツでプレーしている。昨オフ、久しぶりに古巣へ戻り、FAになった今オフ、再契約を交わしたということだ。そのキャリアについては、昨オフにこちらで書いた。

「10年前にMVPのフランチャイズ・ヒーローが古巣へ戻り、2000安打や300本塁打のマイルストーンへ」

 現在の年齢は37歳だ。2013年にMVPを受賞した当時のような、センターを守る5ツール・プレーヤーではなくなっている。今シーズンは、主にDHとして112試合に出場し、12本塁打と11盗塁、OPS.776を記録した。とはいえ、出塁率は高く、最初のパイレーツ時代とほぼ変わらなかった。2009~17年のトータルは.379、今シーズンは.378だ。

 今年6月の通算2000安打到達に続き、来シーズンは、通算300本塁打にたどり着くはずだ。パイレーツ以外の4チームで打ったホームランを含め、マッカッチェンの通算本塁打は299本を数える。

 通算300本塁打以上は159人いて、3分の1の53人は、最初のホームランと300本目のホームランを、同じチームで記録している。ただ、1本目から300本目までのすべてが同じチームは、見落としがなければ、53人中50人だ。あとの3人は、1本目と300本目の間に、他のチームでもホームランを打っている。

 通算300本塁打のチャック・クラインは、フィラデルフィア・フィリーズで、最初の191本、238本目~281本目の44本、293本目以降の8本を記録した。通算320本塁打のビニー・キャスティーヤは、コロラド・ロッキーズで、最初の203本、269本目~303本目の35本、最後の1本。通算305本塁打のラウル・イバニエスは、シアトル・マリナーズで、最初の14本、70本目~182本目の113本、272本目~300本目の29本。現時点で通算299本塁打のマッカッチェンは、最初の203本と288本目以降の12本だ。

筆者作成
筆者作成

 キャスティーヤのメジャーデビューは、ロッキーズではない。その前に、アトランタ・ブレーブス(1991~92年)で21試合に出場している。この時のホームランはなかったが、ブレーブスでは、2002~03年に290試合で34本塁打を記録した。

 なお、マッカッチェンだけでなく、アンソニー・リゾー(ニューヨーク・ヤンキース)も、通算300本塁打まで一桁としている。ここまでは、13シーズンで通算295本塁打。1本目をサンディエゴ・パドレス、2本目から243本目までをシカゴ・カブス、244本目以降をヤンキースで打っている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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