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レンジャーズが次も勝てば、7試合ともアウェーのチームが勝利。アストロズは4年前にこのパターンで…

宇根夏樹ベースボール・ライター
マックス・シャーザー(テキサス・レンジャーズ)Oct 18, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 10月22日、テキサス・レンジャーズは、9対2でヒューストン・アストロズに勝ち、敗退の可能性もあったリーグ・チャンピオンシップ・シリーズを3勝3敗とした。

 ここまでは、両チームとも、アウェーで3勝を挙げ、ホームで3敗を喫している。レンジャーズが勝った第1~2戦と第6戦は、アストロズの本拠地、ミニッツメイド・パークで行われた。アストロズが勝利を収めた第3~5戦は、レンジャーズの本拠地、グローブ・ライフ・フィールドが舞台だった。

 レンジャーズが第7戦も勝つと、シリーズの7試合とも、アウェーのチームが勝利となる。

 4年前、アストロズは、ワールドシリーズでこのパターンを経験している。第1戦と第2戦にミニッツメイド・パークでワシントン・ナショナルズに敗れた後、第3戦からナショナルズ・パークで3連勝。ホームに戻った第6戦と第7戦は、再びナショナルズに連敗を喫した。

 当時も今も、アストロズでプレーしている選手は少なくない。また、2019年のワールドシリーズと今年のリーグ・チャンピオンシップ・シリーズは、相手のチームにマックス・シャーザーがいることも共通する。

 4年前、シャーザーは、ワールドシリーズの第1戦と第7戦に登板した。今年のリーグ・チャンピオンシップ・シリーズは、第3戦に続き、第7戦の先発マウンドに上がる。

 もっとも、今年も同じ結末になるかどうかは、わからない。むしろ、違う結末になる可能性のほうが高いかもしれない。

 4年前の2登板とも、シャーザーは、5イニング2失点を記録した。今年の第3戦は、4イニングで5失点だ。

 レギュラーシーズンのスタッツを比べても、かなりの違いがある。2019年の27登板は、172.1イニングで奪三振率12.69と与四球率1.72、防御率2.92とFIP2.45。今シーズンの27登板は、152.2イニングで奪三振率10.26と与四球率2.65、防御率3.77とFIP4.32だ。スタッツキャストによると、4シームの球速とスピンは、2019年のレギュラーシーズンが平均94.9マイルと平均2474RPM(回転/分)、今シーズンは平均93.7マイルと平均2360RPMとなっている。

 ちなみに、4年前のワールドシリーズ第7戦は、シャーザーとザック・グレインキー(現カンザスシティ・ロイヤルズ)が投げ合った。今年のリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第7戦は、第3戦と同じく、シャーザーとクリスチャン・ハビアが先発マウンドに上がる。

 ハビアは、4年前もアストロズに在籍していたが、まだメジャーデビューしていなかった。メジャーリーグ初登板は、2020年7月だ。開幕2試合目にリリーフとして投げ、その4日後に先発デビューを果たした。

 メジャーリーグ4年目の今シーズンは、31登板の162.0イニングで奪三振率8.83と与四球率3.44、防御率4.56とFIP4.58ながら、ポストシーズンでは、ディビジョン・シリーズ第3戦に5イニングを投げてミネソタ・ツインズにホームを踏ませず、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第3戦は5.2イニング2失点を記録している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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