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ポストシーズンで「2試合連続マルチ本塁打」は史上初だが「2試合で計4本塁打」は3人目

宇根夏樹ベースボール・ライター
ニック・カステヤノス(フィラデルフィア・フィリーズ)Oct 12, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ディビション・シリーズの第3戦に、フィラデルフィア・フィリーズの2人、ブライス・ハーパーニック・カステヤノスは、ホームランを2本ずつ打った。その翌日、ハーパーのホームランはなかったが、カステヤノスは、またしても1試合2本塁打を記録した。

 フィリーズは、第3戦に続いて第4戦も勝利を収め、2年連続リーグ・チャンピオンシップ・シリーズ進出を決めた。昨年は、その先のワールドシリーズまで進んでいる。

 2試合連続マルチ本塁打は、ポストシーズン史上初。連続する2試合で計4本塁打は、最多タイだ。1試合3本塁打の延べ12人――ベーブ・ルースが2度――のうち、ボブ・ロバートソンレジー・ジャクソンは、前後どちらかの試合と合わせ、2試合で計4本塁打を記録している。

 ロバートソンの計4本塁打は、1971年のリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第2戦の3本と第3戦の1本だ。レジーは、1977年のワールドシリーズ第5戦の1本と第6戦の3本。その前の第4戦にも、ホームランを1本打っている。

 また、1977年のワールドシリーズは、第6戦までだった。翌年、レジーはリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第1戦に1本塁打。こちらも、1977年のワールドシリーズ第6戦と合わせ、年をまたぎながら連続する2試合で計4本塁打(3本+1本)、という見方もできる。

 なお、ハーパーとカステヤノスによる、同じ試合でチームメイトがそれぞれマルチ本塁打は、ベースボール・リファレンスなどによると、ポストシーズン史上4組目だ。

 彼らの前には、1932年のワールドシリーズ第3戦にニューヨーク・ヤンキースのルースとルー・ゲーリッグ、2020年のワイルドカード・シリーズ第2戦にサンディエゴ・パドレスのフェルナンド・タティースJr.ウィル・マイヤーズ、2021年のリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第5戦にロサンゼルス・ドジャースのクリス・テイラーAJ・ポロックが記録している。4組中3組は2本塁打ずつだが、テイラーとポロックは3本と2本だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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