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シャーザーが復帰し、ワールドシリーズ連覇をめざすアストロズの前に立ちはだかる!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
マックス・シャーザー(テキサス・レンジャーズ)Oct 4, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 テキサス・レンジャーズは、ワールドシリーズ進出をかけ、同じ西地区のヒューストン・アストロズと対戦する。ここまでは、タンパベイ・レイズとボルティモア・オリオールズをスウィープで下してきた。

 レンジャーズとアストロズは、どちらもレギュラーシーズンに90勝を挙げた。だが、レンジャーズはアストロズに4勝9敗と大きく負け越し、2021年から続いているアストロズの地区連覇を止めることはできなかった。ちなみに、短縮シーズンの2020年はオークランド・アスレティックスが西地区を制したが、その前の3年(2017~19年)も、アストロズは地区3連覇を成し遂げている。

 今シーズン、アストロズとの4シリーズでレンジャーズが勝ち越したのは、最初に顔を合わせた4月14日~16日の2勝1敗だけ。その後は、6月30日~7月3日が1勝3敗、7月24日~26日が1勝2敗、9月4日~6日は0勝3敗だ。レンジャーズは、アストロズから1試合平均5.69点を挙げた。だが、1試合平均7.15点を取られた。

 失点を減らさないことには、アストロズを倒し、12年ぶりにワールドシリーズへ進み、初のワールドチャンピオンとなるのは難しそうだ。

 ここまでのポストシーズン5試合の先発投手は、最初の試合から順に、ジョーダン・モンゴメリー(7イニング無失点)、ネイサン・イオバルディ(6.2イニング1失点)、アンドルー・ヒーニー(3.2イニング1失点)、モンゴメリー(4.0イニング5失点)、イオバルディ(7イニング1失点)だった。なお、4.0イニングという表記は、5イニング目もマウンドに上がったが、無死のまま降板したことを示している。

 リーグ・チャンピオンシップ・シリーズでは、中3日以下で登板しない限り、4人目の先発投手が必要になる。10月15日の第1戦にモンゴメリーが投げ、そこから中4日なら、次の登板は20日の第5戦だ。スウィープするかスウィープされるかした場合、第5戦はないが、第4戦までは必ず行われる。

 ディビジョン・シリーズのロースターに入っていた投手のなかから、4人目の先発投手を選ぶとすれば、デイン・ダニングマーティン・ペレスコディ・ブラッドフォードの誰かだろう。ただ、それ以外の選択肢もあり得る。

 ジェイコブ・デグロームは、投げられない。6月にトミー・ジョン手術を受けた。一方、先月に離脱したマックス・シャーザージョン・グレイは、復帰が近づいている。

 2人のうち、少なくともシャーザーは、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズのロースターに加わり、先発マウンドに上がりそうな気配だ。先月中旬に右肩を痛めた時点では、復帰できずにオフを迎えるかと思われたが、今月に入り、6日と11日にマウンドから打者に投げている。

 もっとも、シャーザーがアストロズを抑えることができるかどうかは、わからない。今シーズン、アストロズに対して投げたのは、移籍前と移籍後、メッツとレンジャーズで1度ずつ。6月19日は、8イニングを投げて1失点ながら、ジャスティン・バーランダーと投げ合った9月6日は、3イニングで7失点だ。1回表はヨーダン・アルバレスに2ラン本塁打、2回表はマイケル・ブラントリーにソロ本塁打、3回表はホゼ・アブレイユに満塁本塁打を打たれた。

 この3人とも、今年のポストシーズンでホームランを記録している。ブランドリーのホームランは1本だが、アブレイユは3本、アルバレスは4本だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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