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現時点のパ・リーグのような「1位以外はどの球団も勝率.500以下」のシーズンは過去に何度あるのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
ZOZOマリンスタジアム APRIL 22, 2022(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

 9月24日、前日の時点でリーグ2位にいた千葉ロッテ・マリーンズは、3位の福岡ソフトバンク・ホークスに敗れた。これにより、両チームの勝率はどちらも.500となった。千葉ロッテが63勝63敗5分、福岡ソフトバンクは66勝66敗2分だ。

 パ・リーグの6球団中、勝率.500を超えているのは、勝率.633(81勝47敗4分)のオリックス・バファローズしかない。4位以下は、東北楽天ゴールデンイーグルスが勝率.492(65勝67敗1分)、埼玉西武ライオンズが勝率.463(62勝72敗1分)、北海道日本ハム・ファイターズは勝率.425(57勝77敗1分)だ。

 72敗以上の埼玉西武と北海道日本ハムは、すでにシーズン負け越しが確定している。千葉ロッテ、福岡ソフトバンク、東北楽天も、勝率.500ちょうどだけでなく、3球団が揃って負け越す可能性もある。いずれも、オリックス、埼玉西武、北海道日本ハムとの対戦が、残る試合の過半数を占める。

 リーグ1位以外の球団がすべて勝率.500以下のシーズンは、これまでに一度もない。1973~82年のパ・リーグは前期と後期に分かれていたが、前期のみ、後期のみ、その合計のいずれも、2位の勝率は.500を超えていた。

 1位以外がすべて勝率.510未満のシーズンも、少ない。見落としがなければ、パ・リーグは、1967年、1975年の前期と後期、1998年。セ・リーグは、1990年、2016年、2019年がそうだ。1975年のパ・リーグは、前期と後期のトータル勝率において、2球団が.510を超えている。

筆者作成
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 1975年のパ・リーグを除くと、6球団中5球団が勝率.510未満の5シーズンとも、2位の貯金は2だった。なかでも、1967年のパ・リーグと1990年のセ・リーグは、それぞれの2位、西鉄ライオンズと広島東洋カープが最終戦に負けていれば、1位以外の5球団とも勝率.500以下になっていた。

 なお、メジャーリーグの場合、日本プロ野球と同じ2リーグながら、各リーグが3地区に分かれている。地区1位以外が揃って負け越した、近年のシーズンについては、こちらで書いた。

「今年のア・リーグ中地区がそうなる「地区優勝以外は4チームとも負け越し」はどれくらい珍しいのか」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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