11回裏にノーヒッターが潰える。MLBのノーヒッターは10イニングが最長だが、NPBはさらに長く
9月10日、ミルウォーキー・ブルワーズの投手たちは、1イニング目から10イニング目まで、ニューヨーク・ヤンキースを無安打に封じた。コービン・バーンズが8イニング、デビン・ウィリアムズとアブナー・ウリベイが1イニングずつを投げた。
だが、ヤンキースだけでなく、ブルワーズも無得点のまま、試合はさらに続いた。
11回表、ブルワーズは、内野ゴロでゴースト・ランナーを二塁から三塁へ進め、ヒットで生還させた。
その裏のマウンドに上がったヨエル・パイヤンプスは、最初の打者を内野ゴロに討ち取ったものの、2人目に二塁打を打たれた。スコアは1対1となり、それまで継続していたノーヒッターも、ここで潰えた。
ナ・リーグとア・リーグにおいて、11イニング以上のノーヒッターは一度もない。10イニングが最長だ。直近では、1997年7月12日に、フランシスコ・コードバ(9イニング)とリカルド・リンコン(1イニング)が達成している。
一方、日本プロ野球では、11イニング以上のノーヒット・ノーランが2度ある。
江夏豊は、1973年8月30日に、11イニングを投げてヒットを打たれず、11回裏の先頭打者としてホームランを打った。この一打は、江夏が記録した通算7本塁打の5本目だ。
2006年4月15日のノーヒッターは、12イニングだ。ルーキーの八木智哉が10イニング、武田久とMICHEAL(中村マイケル)が1イニングずつを投げた。この年、八木は、新人王を受賞。武田とMICHEALは、それぞれ、どちらもリーグ最多の40ホールドと39セーブを記録した。
ブルワーズとヤンキースの試合は、11回裏を終えて1対1。12回表にブルワーズが2点を挙げたが、ジャンカルロ・スタントンのホームランにより、再び同点とされた。13回表の得点はなく、その裏、カイル・ヒガシオカにサヨナラ二塁打を打たれた。
なお、ブルワーズの4投手が記録した、11回1死までノーヒッターは、見落としがなければ、ハービー・ハディックス(1959年5月26日)の13回1死までとハリー・マッキンタイア(1906年8月1日)の11回2死までに次ぎ、3番目に長い。ちなみに、ハディックスもマッキンタイアも、この試合で黒星を喫した。