エンジェルスがFA直前の5人をウェーバーにかけて「売り」に出す。大谷翔平が含まれていない理由は…
ロサンゼルス・エンジェルスは、今秋のポストシーズン進出を完全にあきらめたようだ。ESPNのジェフ・パッサンによると、先発投手のルーカス・ジオリト、リリーフ投手のマット・ムーアとレイナルド・ロペス、外野手のハンター・レンフローとランダール・グリチックをウェーバーにかけたという。
5人とも、今オフにFAとなる。レンフローとグリチックは、現在行われている8月29日の試合に出場し、それぞれ、ライトとレフトを守っている。
エンジェルスの目的は、年俸総額の削減と「贅沢税」の回避だ。定められた年俸総額の上限を超えた球団は、超過した金額に対し、通称「ラグジュアリー・タックス(贅沢税)」を課される。このままいくと、エンジェルスは課税の対象になる。
ウェーバー公示中の選手を獲得した球団は、現在の契約をそのまま引き継ぎ、残りの年俸を支払う。そうなれば、エンジェルスは「贅沢税」を免れる可能性も出てくる。
8月中に移籍すれば、彼らは、ポストシーズン出場も可能だ。
一方、今オフにFAとなるのは、チームメイトの大谷翔平も同じだが、シーズンが終わるまで、エンジェルスは大谷を保有するはずだ。そして、FAになった直後にクオリファイング・オファーを申し出て、大谷に断られる。大谷が他球団と契約を交わした場合、クオリファイング・オファーを提示していたエンジェルスは、来年のドラフト指名権を得る。
クオリファイング・オファーの金額は、年俸上位125人の平均だ。昨オフは、1965万ドルだった。今オフも、そう変わらないだろう。この金額は――クオリファイング・オファーを受け入れて残留することもあるので――レンフローらに申し出るには高すぎる。ちなみに、大谷の今シーズンの年俸は、3000万ドルだ。
なお、こちらは、ニューズデイのエリック・ボーランドによると、ニューヨーク・ヤンキースは、外野手のハリソン・ベイダーをウェーバーにかけたという。
【追記:8/30】
パッサンは、さらに、エンジェルスがウェーバーにかけたのは5人だけでなく、リリーフ投手のドミニク・リーオンもそうだと報じている。