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1死二、三塁から「3-1-4-2」の併殺でイニング終了

宇根夏樹ベースボール・ライター
J.D.デービス(サンフランシスコ・ジャイアンツ)Aug 27, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月27日、サンフランシスコ・ジャイアンツは、1死二、三塁からの併殺により、5回表を終わらせた。

 一塁手のJ.D.デービス――いつもは三塁を守ることが多い――は、一塁と二塁を結ぶ直線よりも少し前、左右はわずかに一塁よりも二塁に近い位置で、弱い当たりのバウンドしてきた打球を捕った。

 その瞬間、デービスの前を、投手のスコット・アレクザンダーが駆け抜けようとしていた。アレクザンダーは、マウンドから一塁に向かっていた。

 デービスは、アレクザンダーにボールをトス。素手でボールをキャッチしたアレクザンダーは、一塁に入っていた二塁手のタイロー・エストラーダに、こちらは少し長めのトスをした。

 3-1-4のプレーにより、彼らは、打者のロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)をアウトに仕留めた。3-1や3-4なら、アクーニャJr.はセーフになっていたのではないだろうか。3-1の場合、ベックアレクザンダーとアクーニャJr.の競争だ。

 さらに、エストラーダは、本塁へ送球。ボールを受けた捕手のパトリック・ベイリーは、三塁から本塁へ向かっていたオーランド・アルシアの左脇腹を掠めるように――アルシアはヘッド・スライディングの最中だった――ミットを動かした。

 球審は両腕を広げたが、チャレンジの結果、判定は覆り、3-1-4-2の併殺が成立した。

 5回表が始まった時点で、ジャイアンツは2点リードしていた。だが、このプレーの直前には、1点リードされていた。

 さらなる失点を防いだジャイアンツは、その裏、満塁からの押し出し四球と走者一掃の二塁打で計4点を挙げた。その後は、6回の表に2失点と裏に2得点。ジャイアンツは、この試合に勝ち、スウィープを免れた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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