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まだ規定打席未満ながら、大谷翔平の目の前でホームラン2本を打ち、大谷のOPSを上回る

宇根夏樹ベースボール・ライター
トニー・ビーズリー(左)とコリー・シーガー Aug 15, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月15日、コリー・シーガー(テキサス・レンジャーズ)は、3回裏と7回裏に、シーズン21本目と22本目のホームランを打ち、8回裏にシングル・ヒットも記録した。1本目のホームランは、センターのジョーディン・アダムス(ロサンゼルス・エンジェルス)に捕られそうになったが、実際にそうはならなかった。試合前と試合後で、シーガーのOPSは1.054→1.076と上がった。

 一方、同じ試合に出場した大谷翔平(エンジェルス)の出塁は、1回表の内野安打のみ。OPSは1.066→1.062と下がった。

 シーガーは3安打で計5打点を挙げ、レンジャーズは7対3でエンジェルスを破った。

 2人のOPSの数値を比べると、試合前は大谷が上、試合後はシーガーが上だ。けれども、リーグ1位(両リーグ1位)は大谷のまま。この試合を終え、シーガーは349打席なので、シーズン全体の規定打席だけでなく、現時点の規定打席にも達していない。ランキングの対象外ということだ。

 規定打席は、チームの試合数×3.1。162試合であれば、502打席だ。大谷は、すでに529打席を記録している。

 シーガーは、あと153打席に立つと、シーズン全体の規定打席に到達する。レンジャーズは、レギュラーシーズンが終わるまでに、ここから42試合を行う。1試合につき4打席なら、39試合で156打席だ。

 もちろん、これから下がる可能性もあるが、シーガーの数値は、OPSだけでなく、打率.350、出塁率.410、長打率.666も、現時点のア・リーグ1位を上回っている。それぞれの1位は、打率.321のボー・ビシェット(トロント・ブルージェイズ)、出塁率.405の大谷、長打率.657の大谷だ。

 規定打席に届かなかったとしても、シーガーは1位になり得る。例えば、492打席でシーズンを終えた場合、不足分の10打席を10打数0安打として加え、計算した数値が他の選手を凌げば、シーガーが1位だ。

 なお、8月15日の別の試合では、ルイス・ロバートJr.(シカゴ・ホワイトソックス)がシーズン32本目のホームランを打った。こちらは、トップの大谷と9本の差がある。

 打点のリーグ・トップ3のうち、91打点のアドリス・ガルシア(レンジャーズ)と84打点の大谷は、どちらも試合前から変わらず。彼らの間、2位に位置するカイル・タッカー(ヒューストン・アストロズ)は、シーズン23本目のホームランを打ち、打点を88から89へ増やした。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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