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シーズン初白星が遠い。「10登板以上で0勝」の先発投手はエンジェルスのデトマーズ以外にもいるのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
リード・デトマーズ(ロサンゼルス・エンジェルス)Jun 1, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月1日、リード・デトマーズ(ロサンゼルス・エンジェルス)は、5イニングを投げて4点を取られた。エンジェルスは、2対5でヒューストン・アストロズに敗れ、デトマーズには黒星がついた。

 今シーズン、デトマーズは、10試合の先発マウンドに上がっている。白星は、まだない。0勝5敗だ。

 6月1日を終え、先発10登板以上の94人のなかに、シーズン初勝利を挙げていない投手は、デトマーズを含めて4人(4.3%)いる。それぞれのシーズン防御率は、JP・シアーズ(オークランド・アスレティックス)が4.37、デトマーズが5.15、スティーブン・マッツ(セントルイス・カーディナルス)が5.60、ジョーダン・ライルズ(カンザスシティ・ロイヤルズ)は7.30だ。

筆者作成
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 この4人とも、先発登板の70%以上で5イニング以上を投げている。先発5イニング未満の投手は、白星を手にすることができない。シアーズとライルズの先発5イニング以上は9登板、デトマーズとマッツは7登板だ。

 シアーズは、半数近い5登板が、5イニング以上を投げて2失点以下。そこには、6イニング無失点や6イニング1失点も含まれている。ただ、今シーズンのアスレティックスは、とにかく弱い。58試合で46敗を喫し、12勝しか挙げていない。勝率は.207だ。

 アスレティックスのチーム最多勝は、2勝の3人。ザック・ジャクソントレバー・メイ藤浪晋太郎のいずれも、リリーフ登板で2つの白星を手にしている。

 マッツとライルズも、チームは負け越している。その上、5イニング以上&2失点以下は少なく、2登板と1登板だ。マッツは、先発10登板で防御率5.72を記録した後、ローテーションから外された。ライルズは、自身のみならず、チームの白星もない。ライルズの11登板で、ロイヤルズは0勝11敗だ。

 デトマーズの場合、エンジェルスは30勝28敗。貯金2ながら、勝ち越している。同じく先発10登板のチームメイト、タイラー・アンダーソンの防御率は、デトマーズより少し高い5.47だが、こちらは2勝を挙げ、1敗しか喫していない。

 デトマーズもアンダーソンも、5イニング以上&2失点以下は3登板だ。ただ、デトマーズは、その3登板とも2失点ずつ。アンダーソンは、無失点(白星)、1失点、1失点(白星)だ。また、デトマーズの10登板中9登板が6イニング未満であるのに対し、アンダーソンは4登板で6イニング以上を投げている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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