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マイナーリーグ契約を2度打ち切る。1度目は元の球団へ戻り、2度目は別の球団とメジャーリーグ契約

宇根夏樹ベースボール・ライター
フリオ・テラーン Mar 3, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今月、フリオ・テラーンは、サンディエゴ・パドレスとの契約を2度打ち切った。

 最初は、5月2日にマイナーリーグ契約をオプト・アウトし、翌々日に再び、パドレスとマイナーリーグ契約を交わした。2度目は、5月22日にオプト・アウト。今度はパドレスには戻らず、ミルウォーキー・ブルワーズからメジャーリーグ契約を得たようだ。ブルワーズの発表はないが、パドレスを退団した翌日、ニューヨーク・ポストのジョン・ヘイマンがそう報じている。

 テラーンは、32歳の先発投手だ。2013年から2019年まで、アトランタ・ブレーブスで7年続けて170イニング以上を投げた。シーズン防御率は、2点台後半が1度(2014年)、3点台前半が2度(2013年、2016年)3点台後半が2度(2018~19年)、4点台前半も2度(2015年、2017年)だ。

 一方、2020年以降にメジャーリーグで記録したイニングは、合計しても40に満たない。2020年がロサンゼルス・エンジェルスで31.1イニング、2021年がデトロイト・タイガースで5.0イニング、昨シーズンと今シーズン(のここまでは)ゼロだ。今シーズンは、AAAで先発8登板。40.0イニングで防御率5.63を記録している。

 今月初旬にFAとなった時は、メジャーリーグ契約の申し出がなかったのだろうか。オプト・アウト前の5登板は25.0イニングで防御率6.84、オプト・アウト後の3登板は15.0イニングで防御率3.60だが、それよりも、テラーンにメジャーリーグ契約をもたらしたのは、ブルワーズのローテーション事情だと思われる。

 アーロン・アシュビージェイソン・アレクザンダーは、今もまだシーズン0登板だ。ブランドン・ウッドラフは、2登板で離脱した。さらに、今月後半に入り、ウェイド・マイリーエリック・ラウアーも、相次いで故障者リストに入っている。

 現時点の先発投手は、コービン・バーンズフレディ・ペラルタコリン・レイエイドリアン・ハウザーの4人だ。それぞれが中4日で投げる場合、5月25日の試合で先発マウンドに上がる投手が、彼ら以外に必要となる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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