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ホームランのボールをスタンドから投げ返した5年後、今度はその球場でホームランを打つ!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ローガン・オホッピー(ロサンゼルス・エンジェルス)Apr 2, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今から5年前、2018年4月6日にヤンキー・スタジアムで行われた試合で、マニー・マチャド(当時ボルティモア・オリオールズ/現サンディエゴ・パドレス)は、CC・サバシアから2打席続けてホームランを打った。

 1本目は、レフトへ飛んでいった。それを、セカンド・デック(2階席)の最前列にいた観客――左胸にヤンキースのロゴがついた服を着ていた――がキャッチし、フィールドへ投げ返した。ボールは、遊撃を守っていたディーディー・グレゴリアスの後ろまで戻ってきた。

 この観客は、当時、高校生だったローガン・オホッピー(現ロサンゼルス・エンジェルス)だ。オホッピーは、ニューヨーク州のウエスト・アイスリップで生まれ育った。そこからヤンキー・スタジアムまでは、車で1時間かからない。

 ホームランを投げ返してから2ヵ月後のドラフトで、オホッピーは、フィラデルフィア・フィリーズに指名された。順位は、23巡目・全体677位だ。昨年の夏、トレードでエンジェルスへ移り、シーズン終了間際にメジャーデビュー。今シーズンは、開幕ロースターに入り、レギュラーの捕手としてプレーしている。

 4月18日から20日まで、エンジェルスは、ヤンキー・スタジアムで3試合を行う。

 3年前、オホッピーは、ヤンキー・スタジアムで行われた、開幕前のエキシビション・ゲームに出場している。この時、レフトへ弾き返した打球は、フェンスを越えなかった。だが、今シーズンは、ここまで4本塁打。この本数は、ハンター・レンフローと並び、エンジェルスでは最も多い。マイク・トラウト大谷翔平は、3本ずつだ。

 なお、7月3日~5日の3試合は、マチャドが打席に立ち、その後ろでオホッピーが投球を受ける可能性もある。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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