Yahoo!ニュース

アメリカは勝てば準々決勝進出。敗れると3チームが2勝2敗で並び、1次ラウンド敗退も!?〈WBC〉

宇根夏樹ベースボール・ライター
マイク・トラウト Mar 13, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 3月15日(日本時間16日)、メキシコは、10対3でカナダを破り、準々決勝進出を決めた。この時点で、プールCの5チームは、メキシコが3勝1敗、アメリカが2勝1敗、カナダが2勝2敗、コロンビアが1勝2敗、イギリスは1勝3敗。メキシコとアメリカ以外の3チームは、2敗以上を喫している。1次ラウンドの各プールとも、準々決勝進出は上位の2チームだ。

筆者作成
筆者作成

 メキシコとともに、プールCから準々決勝へ進むチームは、15日に続いて行われる、アメリカとコロンビアの試合で決まる。

 アメリカは、この試合に勝てば準々決勝進出だ。こちらも、メキシコと同じ3勝1敗。メキシコ戦に敗れているアメリカは、2位通過となり、準々決勝は、プールDの1位、4勝0敗のベネズエラと当たる。

 一方、アメリカが敗れ、コロンビアが勝つと、カナダを含む3チームが2勝2敗で並ぶ。直接の対戦は、いずれも1勝1敗。その2試合の失点を奪ったアウトの数で割った数値、失点率によって順位は決まる。失点率が同じ場合、続いて、自責点率、打率の順に比べ、最後は抽選を行う。

 それでも、2勝2敗の3チーム中、アメリカが準決勝へ進む確率は、最も高い。

 15日の試合で先攻のアメリカは、黒星なら、サヨナラ負けとコールド・ゲームを除き、24アウトを奪う。9回裏のコロンビアの攻撃はないので、3アウト×8イニング=24アウトだ。後攻のコロンビアは、白星だと、延長戦とコールド・ゲーム以外は、27アウトを奪う。

 両チームがそれぞれ、このアウト数だとすると、アメリカは、1点差の黒星で10失点以下なら、準々決勝へ進む。例えば、9対10の場合、カナダ戦の1失点(21アウト)とコロンビア戦の10失点(24アウト)を合計すると、アメリカの失点率は.244となる。それに対し、カナダ戦で5失点(27アウト)とアメリカ戦で9失点(27アウト)のコロンビアは、失点率.259。カナダは、アメリカ戦が12失点(18アウト)、コロンビア戦は無失点(27アウト)。失点率は.267だ。

 同様に、2点差の黒星で8失点以下と、3点差の黒星で3失点以下(0対3)でも、アメリカの失点率は、3チームのなかで最も低くなる。

 メキシコがカナダを下したことが、アメリカには有利に働いている。もし、カナダがメキシコに勝ち、アメリカがコロンビアに敗れ、メキシコ、アメリカ、コロンビアの3チームが2勝2敗で並んでいれば、メキシコ戦で11失点のアメリカが、失点率で3チームのトップに立つのは難しかった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事