この3兄弟は同時に外野を守っただけではない。通算安打は3人合わせて5000本以上
今から60年前、フェリペ、マティ、ヘススのアルー兄弟は、外野に揃い踏みした。
1963年9月15日のことだ。サンフランシスコ・ジャイアンツの「1番ライト」として先発出場したフェリペは、7回裏からレフトへ回り、ライトには、ウィリー・マッコビーと交代したヘススが入った。さらに、フェリペは、8回裏にセンターへ。ウィリー・メイズと交代したマティが、レフトの守備についた。
これにより、外野の3人は、左から右へ、マティ、フェリペ、ヘススとなった。ちなみに、マッコビーとメイズは、殿堂選手だ。
3人揃って先発出場の試合はなかったが、17日と22日も、試合の途中から、彼らは外野3ポジションに並んだ。他に、3人で外野を守った兄弟は存在しない。
だが、アルー兄弟は、トリビアを作っただけではない。
3人とも、メジャーリーグで15シーズン以上にわたってプレーし、1000本以上のヒットを打った。フェリペが2101本、マティが1777本、ヘススは1216本だ。
計5094安打は、兄弟3人を合計した本数の歴代最多。ディマジオ兄弟が記録した、計4853本を上回る。こちらは、ビンスが959本、ジョーが2214本、ドムは1680本だ。
ちなみに、いずれも捕手のモリーナ3兄弟は、計4077安打。ベンジーが1317本、ホゼが592本、ヤディアーは2168本のヒットを打った。おそらく、兄弟3人で計4000安打以上――4人以上の兄弟は、そのなかでヒットの多い3人の合計が4000本以上――は、この3組しかいない。
なお、ドミニカンのアルー兄弟は、本来なら、ロハス兄弟として知られるはずだった。ベースボール・リファレスリファレンスによると、それぞれのフルネームは、フェリペ・ロハス・アルー、マテオ・ロハス・アルー、ヘスス・マリア・ロハス・アルーだ。ジャイアンツがフェリペと契約を交わした際、父方のロハスではなく、母方のアルーで登録したのが理由らしい。