Yahoo!ニュース

外野手が「バク宙キャッチ」のチームでは、こんな大物もプレーしている

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジョニー・デーモン(中央)とホルヘ・ポサダ October 20, 2004(写真:ロイター/アフロ)

 先月下旬、センターを守っていたDR・メドウズ(サバンナ・バナナズ)は、バク宙をしながらフライを捕球した。CBSスポーツのツイートで、その映像を観ることができる。

 バナナズは、勝つためではなく、観客を愉しませるためのエキシビション・チームだ。バスケットボールのハーレム・グローブトロッターズのようなもの、と言えばわかりやすいかもしれない。

 メドウズがバク宙キャッチをした時も、投手は、ベースボールのキャップではなく、イエローのテンガロン・ハットをかぶっていた。

 また、この数日前の試合には、ジョニー・デーモンも出場していた。現在、デーモンは49歳。メジャーリーグでプレーしたのは、2012年が最後だ。その後、マイナーリーグでもプレーはしていなかった。

 2004年に「バンビーノの呪い」を解いた、ボストン・レッドソックス時代と同じく、デーモンは、長髪と髭面で打席に立った。言うまでもないが、ニューヨーク・ヤンキース時代のような、こざっぱりとした風貌では絵にならない。

 なお、バク宙キャッチではないが、プレー中のバク宙は、公式戦でも何人かの選手が行っている。日本プロ野球では、秋山幸二明石健志が思い出される。2人とも、ホームランを打ってホームインする直前だった。秋山のホームランは、1986年の日本シリーズ第8戦。明石は、2019年4月25日の10回裏。一方、メジャーリーグでバク宙と言えば、オジー・スミスだ。

 ちなみに、引退後はバナナズに誘われそうな、現役選手もいる。キーケー・ヘルナンデス(レッドソックス)がそうだ。ロサンゼルス・ドジャース時代の2015年8月31日。当時は故障者リストに入っていて、まだレギュラーでもなかったキーケーは、延長戦に入った試合中に、編成責任者であるアンドルー・フリーマンフリードマンの指示により、バナナのかぶりものを着てダグアウトに座った。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事