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36歳以降に100勝以上を挙げた投手たち。ダルビッシュは現在36歳。6年1億800万ドルの1年目

宇根夏樹ベースボール・ライター
デビッド・ウェルズ(左)とランディ・ジョンソン April 3, 2005(写真:ロイター/アフロ)

 今月上旬、ダルビッシュ有は、サンディエゴ・パドレスと延長契約を交わした。MLB.comのAJ・キャッサベルらによると、契約は6年1億800万ドル(2023~28年)。6年1億2600万ドル(2018~23年)の6年目を、新契約の1年目と置き換えた格好だ。

 現在、ダルビッシュは36歳。誕生日は8月16日なので、契約期間のシーズン年齢(6月30日時点の年齢)は、36歳から41歳までだ。

 ファングラフスとベースボール・リファレンスによると、36歳以降に100勝以上を挙げた投手は、15人を数える。36歳から41歳までの6シーズンに100勝以上は5人。サイ・ヤングは1903~08年に127勝、ウォーレン・スパーンは1957~62年に123勝、フィル・ニークロは1975~80年に103勝、ランディ・ジョンソンは2000~05年に103勝、エディ・プランクは1912~17年に101勝を挙げた。

筆者作成
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 ダルビッシュは、2012~22年の10シーズン――トミー・ジョン手術を受けて全休の2015年を除く――に95勝を挙げている。今後の白星もこれまでと同じペース、シーズン平均9.5勝だとすると、ここから100勝を挙げるには11シーズンを要する。現在の6年契約が満了してから、さらに5年。シーズン年齢は、46歳までだ。

 白星はさておき、ダルビッシュに踏襲が望まれるのは、彼らの息の長さと故障の少なさだろう。例えば、36歳以降に100勝以上を記録した最近の4人は、36~41歳の6シーズン中、少なくとも5シーズンは規定投球回に達し、いずれも180イニング以上を投げている。このスパンの規定投球回未満は、2000年のジェイミー・モイヤーが154.0イニング、2001年のデビッド・ウェルズが100.2イニング、2003年のランディが114.0イニング。ロジャー・クレメンスは、1999~2004年の6シーズンとも180イニング以上だ。

 なお、クレメンスは、38歳と41歳のシーズンに、6度目と7度目のサイ・ヤング賞を手にしている。ランディは、31歳の初受賞に続き、35歳から38歳まで4年続けて選出された。あとの2人はサイ・ヤング賞投手ではないが、モイヤーは、36歳のシーズンが投票6位、38歳が4位、40歳は5位。ウェルズは、35歳と37歳のシーズンが3位だ。クレメンスとランディの2人と違い、モイヤーとウェルズは、20代と30代前半に一票も得ていない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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