Yahoo!ニュース

チームメイトの2人が通算奪三振の「歴代トップ10」にランクイン!? 現在の10位はマダックス

宇根夏樹ベースボール・ライター
マックス・シャーザー(左)とジャスティン・バーランダー Oct 19, 2013(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ジャスティン・バーランダー(ニューヨーク・メッツ)の3198奪三振は、現役投手のなかで最も多く、歴代では12位に位置する。11位のフィル・ニークロとの差は144奪三振、10位のグレッグ・マダックスまでは173奪三振だ。

 順調にいけば、バーランダーは、今年中にニークロとマダックスを追い抜くだろう。昨年は175.0イニングを投げ、185三振を奪った。

 ただ、2人を抜き去っても、トップ10には入れないかもしれない。バーランダーのすぐ下には、チームメイトのマックス・シャーザーがいる。こちらは、3193奪三振だ。昨年は145.1イニングで173奪三振ながら、奪三振率は10.71。バーランダーの9.51より高かった。対戦打者との結果に占める奪三振の割合も、30.6%と27.8%なので、シャーザーのほうが上だ。

筆者作成
筆者作成

 今年、バーランダーとシャーザーの2人が、揃ってマダックスを上回ったとして、その前にシャーザーがバーランダーを追い越し、そのまま抜き返されないと、それぞれの歴代順位は、シャーザーが10位、バーランダーは11位となる。2人に追い抜かれるので、マダックスは10位→12位、ニークロは11位→13位だ。

 もちろん、バーランダーが10位、シャーザーは11位ということもあり得る。

 今年が終わった時点で、シャーザーとバーランダーのどちらもトップ10にランクインするのは、同数で10位に並ぶパターンしかなさそうだ。

 ニークロとマダックスだけでなく、9位のウォルター・ジョンソンも超えれば、奪三振の数が違っても、シャーザーもバーランダーも、9位と10位あるいは10位と9位としてトップ10に入るが、今年中は難しい。2人とも、ジョンソンとは310奪三振以上の差がある。シャーザーのシーズン最多は、2018年の300奪三振。バーランダーも、2019年の300奪三振が最も多い。

 なお、今年、シャーザーとバーランダーは、9年ぶりに同じローテーションに並ぶ。2010年から2014年まで、彼らはデトロイト・タイガースでチームメイトだった。前回と違い、今回は1シーズン限りの可能性もある。シャーザーは今年が3年1億3000万ドル(2022~24年)の契約2年目、バーランダーは2年8666万6666ドル(2023~24年)の契約1年目だが、今年のシーズンが終わると、シャーザーは契約をオプト・アウトする――途中で打ち切ってFAになる――ことができる。

 また、2人に次ぐ、現役3位のザック・グレインキー(カンザスシティ・ロイヤルズ)は、今年中に歴代トップ20から外れてもおかしくない。

 歴代24位には、クレイトン・カーショウ(ロサンゼルス・ドジャース)がいる。グレインキーとカーショウの差は、75奪三振だ。昨年、グレインキーは137.0イニングで73奪三振。奪三振率と割合は、4.80と12.5%に過ぎなかった。それに対し、カーショウは126.1イニングで137三振を奪った。こちらの奪三振率と割合は、9.76と27.8%だ。グレインキーが歴代19位のジョン・スモルツに並ぶか追い抜くかすれば、カーショウに抜かれても歴代20位だが、それには202奪三振以上が必要となる。かつてのグレインキーならともかく、現在のグレインキーにはハードルが高い。

 通算本塁打のトップ20に迫っている、シャーザーとバーランダーの元チームメイトについては、こちらで書いた。

「今年限りで引退のスラッガーは、あと14本塁打で「歴代トップ20」にランクイン」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事