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10年前の「ドラフト1巡目」は今どこに!? 生え抜きのままは3人だけ。マリナーズには4人が集合

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジャクソン・フレイジャー(左)とアーロン・ジャッジ Jun 19, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 10年前のドラフトで、1巡目あるいは1巡目補完に指名され、入団した選手は37人を数える。その出世頭は、全体32位のアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)だ。ここまでの通算220本塁打は、2巡目以降を含め、2013年のドラフトで入団した選手のなかで最も多い。52本塁打の2017年は、新人王を受賞。62本塁打の昨年は、MVPに選ばれ、9年3億6000万ドルの大型契約を手にし、ヤンキースのキャプテンに就任した。

 全体2位のクリス・ブライアント(現コロラド・ロッキーズ)は、ジャッジに先駆け、2015年に新人王、2016年はMVPを受賞しているが、昨年は故障に見舞われ、42試合の出場にとどまった。通算本塁打は172本。今年は、7年1億8200万ドルの契約2年目となる。

 全体6位までに指名された選手のうち、ブライアントと全体3位のジョン・グレイ(現テキサス・レンジャーズ)を除く4人は、現時点で40人ロースターに入っていない。いずれも、マイナーリーグ契約だ。全体4位のコール・スチュワート(現カンザスシティ・ロイヤルズ)に至っては、ノン・ロースター・インバイティ(キャンプ招待選手)ですらない。ちなみに、全体5位のジャクソン・フレイジャー(現レンジャーズ)は、昨年の途中までクリント・フレイジャーだった。彼のフルネームは、クリント・ジャクソン・フレイジャーだ。

筆者作成
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 他には、全体23位のチチ・ゴンザレス(現マイアミ・マーリンズ)、全体24位のビリー・マッキニー(現ヤンキース)、全体33位のイアン・クラーキン(現シアトル・マリナーズ)もマイナーリーグ契約。クラーキンは、まだメジャーデビューしていない。球団に在籍している選手では、全体12位のD.J.ピーターソン(現ロッキーズ)もそうだ。この2人以外にも、メジャーデビューしていない選手は5人いるので、現時点における割合は18.9%(7/37)ということになる。

 プロ入りした当時と同じ球団に今もいるのは、全体8位のハンター・ドージャー(ロイヤルズ)と全体17位のティム・アンダーソン(シカゴ・ホワイトソックス)に、ジャッジの3人だ。また、現在の在籍球団ごとに分けると、マリナーズが最も多い。全体6位のコリン・モラン、全体16位のJ.P.クロフォード、全体19位のマルコ・ゴンザレス、クラーキンの4人だ。モランとクラーキンはマイナーリーグ契約だが、クロフォードはレギュラーとして遊撃を守り、ゴンザレスはローテーションの一角を占める。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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