「60登板以上で防御率1点台」の左腕が、まだFA市場に残っているのはなぜ!?
ボストン・レッドソックスは、FAのマット・ムーアに興味を示しているらしい。MassLive.comのクリス・コッティーロが、そう報じている。
3年前に福岡ソフトバンク・ホークスで投げた当時、ムーアは先発投手だった。13登板で防御率2.65を記録。日本シリーズでは、第3戦に7イニングを投げ、読売ジャイアンツを無安打に封じた。
そのオフに、1年300万ドルでフィラデルフィア・フィリーズに入団。ローテーションの一員として、2021年の開幕を迎えた。だが、このシーズンの防御率は6.29。ローテーションにとどまることはできず、先発とリリーフを行き来した。
昨オフは、テキサス・レンジャーズとマイナーリーグ契約を交わした。そして、リリーフ投手として成功を収めた。開幕直後にAAAから昇格すると、63登板で74.0イニングを投げ、防御率1.95を記録した。
昨年の登板数とイニング、防御率を見る限り、人気のFAとなっていてもおかしくない気がする。年齢は33歳。6月半ばに34歳となる。
ただ、防御率は低いものの、与四球率は4.62と高い。2022年に救援50イニング以上の144人中、防御率は15位、与四球率はワースト15位に位置する。ちなみに、奪三振率は10.09。低くはないとはいえ、それほど高くもない。こちらの順位は、上から58番目だ。先発投手だった当時からの制球難が解消されていないのに加え、リリーフの実績が1シーズンしかないことも、球団にとってはリスクとなり得る。
レッドソックスの他にも、ムーアに目をつけている球団はありそうだが、契約の条件がネックとなっているのかもしれない。例えば、ある球団が1年契約を申し出ているのに対し、ムーアは複数年の契約を望んでいる、といったことが考えられる。
もっとも、この時期までFAのままでいるのは、そう珍しいことではない。左のリリーフ投手では、アンドルー・チェイフィン、ウィル・スミス、ブラッド・ハンド、ザック・ブリットンらも、FA市場に残っている。